11月全国大会に向け猛練習 レスリング3選手
茨城県で6月に開かれた「沼尻直杯第48回全国中学生レスリング選手権大会」で入賞した和歌山レスリングクラブに所属する3選手が、11月の「東京都知事杯全国中学選抜選手権」に向け、練習に励んでいる。和歌山市立河北中学3年の山本海星(14)=河北中3=、松嶋攻(14)=東和中3=、大森優多郎(13)=東中2=の3選手で、沼尻杯では共にベスト8入り。同大会で得た喜びと悔しさを胸に秋の東京に挑む。
41㌔級で準優勝だった山本選手は小学3年の時、テレビで見て興味を持ったことからレスリングを始め、昨年も同大会で4位に入賞。今大会も順調に駒を進め、決勝は前半から追い掛ける場面が続いていたが、相手の攻撃は防げていた。「ギアを上げていこう」と気合いを入れ直して臨んだ後半にまさかのフォール負け。優勝は逃したものの「メダルを取れてうれしかった」と振り返り、11月の大会で再び決勝の舞台に立つことを誓う。カウンターまでに要する時間を課題とし、「練習を重ねて技術を身に付け、自分のプレーを見せたい」と意気込んでいる。
そんな山本選手を「海星はめちゃめちゃ強い。圧倒的な強さで勝つ」とたたえるのは、同学年の仲間として共に練習に励む75㌔級の松嶋選手。沼尻杯ではベスト8に入った。6歳の頃からレスリングを始め、「ちょっとずつ強くなる」というレスリングの魅力にはまり、現在は週6日練習を重ねている。
昨年は1回戦負けという悔しさから、「1回でも2回でも絶対に勝つ」との強い思いで臨み、思い通りに1、2回戦を勝ち抜いた。3回戦では試合開始後すぐに相手のペースに持ち込まれ、大内刈りで逆転を狙ったが決まりきらず、2点差という僅差で敗退。
松嶋選手は「防御の弱さ」を課題とし、「相手に入られた時にも防御できるように意識的に練習に取り組み、しっかりと結果を残していきたい」とさらなる飛躍を誓う。
松嶋選手とともにベスト8入りした62㌔級の大森選手は5歳からレスリングを始め、「もっと強くなりたい」との思いから、1年前に同クラブに移籍した。得意技は、相手が疲れたところで左足を遠い位置から取って倒すもの。今大会でも得意技を生かして4回戦に進出した。
4回戦でも果敢にタックルを入れたものの、相手の体幹が強く、決めきれずに僅差で敗退。あと一歩のところでメダルを逃した。「躊躇(ちゅうちょ)があって攻めきれなかった」と敗因を語る。次の大会では「決勝進出」「メダル獲得」の二つの目標を掲げ、「攻める前に相手を崩し、攻めやすい状態をつくりたい」と意気込む。
同クラブの三輪大珠(たいじゅ)コーチ(26)はコロナ禍で練習できない期間もあった中、「自分たちで自主的に考え、やらされるのではなく自分を追い込める練習ができるのが強み」と選手らをたたえ、「11月には全中優勝を目指して頑張ってもらいたい」とエールを送っている。