大麻検索で警告動画 若者の入手阻止へ県

若い世代を中心に大麻の所持が広がっていることを受け、和歌山県は9月から、短文投稿サイトのツイッターで薬物に関する語句を検索するなどした県民に対し、大麻の違法性を警告動画で表示する取り組みを始めた。近年、県内では30代未満を中心に大麻の検挙者数が増加傾向。SNSを使った取引や情報入手が大きな比重を占めることから、若者の利用率が高いツイッターを使い、薬物乱用防止を呼び掛ける。

県によると、昨年の県内の大麻検挙者数は66人。過去最多だった2020年の76人に比べると10人減ったものの、30歳未満が54人と最も多く、8割以上を占めた。また、全国では昨年、大麻に関わる事件で摘発された人数が5482人(うち30歳未満3817人)と、5年連続で過去最多を更新している。

SNSなどのコミュニティーサイトが入手のきっかけになっているケースも多い。そこで同課は、利用者の興味関心に応じて広告を配信するツイッターのプロモ広告を活用。SNSなどで使用される、大麻に関する隠語「野菜」「クサ」「ハッパ」や、危険ドラッグに関する語句「合法ハーブ」「合法アロマ」、薬物の売買に関する隠語「手押し」などのワードを検索すると、スマートフォンやパソコンの画面に、警告メッセージと動画が表示される。動画は15秒間で、ブザー音とともに「大麻の所持・栽培は犯罪です。心身に悪影響があります。」の文字などが流れる。

県薬務課の担当者は「大麻を初めて使用する動機として『好奇心、興味本位』『その場の雰囲気』が高い割合を占めていることから、薬物を検索している人に警告メッセージを表示することで抑止につながれば」と話している。

表示される警告画面(県薬務課提供)

表示される警告画面(県薬務課提供)