新たな変異株「バジリスク」 県内初確認

和歌山県は1日、新型コロナウイルスの新たな変異株「BA・2・3・20」(通称バジリスク)の感染が県内で初めて確認されたと発表した。

感染したのは10代女性と50代女性の親子で、2人とも海外渡航歴はなく、10代女性は10月上旬に大阪市内に出掛け、外国人客の多い混雑した飲食店で食事をした。2人は高熱や関節痛などの症状が出たが、入院せずに自宅で療養期間を終えており、全身の倦怠感がまだ残っているという。

バジリスクはオミクロン株の「BA・2」から変異したもので、国内での確認例は成田空港での検疫や新潟県内などでまだ少なく、従来株との感染力や重症化リスクの違いも分かっていない。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は、バジリスクは世界で流行の主流になっている変異株ではないとした上で、「引き続き感染予防対策を徹底することが重要」と呼び掛けた。

1日に発表された新規感染者は343人で、前週の同じ火曜に比べ47人の増加。和歌山市の70代女性が死亡し、県内の死者は累計264人となった。

新規クラスター(感染者集団)は4件。発生場所と感染者数は、708例目が橋本保健所管内の病院で10人、709例目は湯浅管内の中学校で8人、710例目は田辺管内の中学校で7人、711例目は御坊管内の中学校で5人だった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比5・1人増の271・2人。

県内の感染者は累計14万2799人。入院者数は192人、重症者は県基準で21人、国基準の該当者は1人。肺炎患者は48人、病床使用率は79・3%となった。