コロナ禍前の95%に回復 夏季の県内観光客
ことし7、8月の2カ月間に和歌山県内7カ所の主要観光地を訪れた観光客数はいずれも前年を上回り、総数で13・7%増加の295万9600人となったことが県のまとめで分かった。3年ぶりに新型コロナウイルス対策の行動制限がない夏となり、県内だけでなく京阪神を中心とした他府県からの観光客が多く見られ、コロナ禍前の2019年と比べても94・7%まで回復した。
調査したのは、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同市本宮町、旧白浜町、那智勝浦町、旧串本町の7カ所。宿泊客は前年比18・2%増(19年比12・9%減)の71万6300人、日帰り客は同12・3%増(同2・6%減)の224万3300人だった。
新型コロナの感染拡大が見られたものの、好天に恵まれ、台風の影響も少なく、白浜町の分散型花火イベントをはじめ県内各地でイベントが実施されたことなどが観光客増加の一因となり、一部の地域ではコロナ禍前の数値を上回った。
地域別でみると、増加幅が最も大きかったのは那智勝浦町。日帰り・宿泊の総数で前年比36・7%増となり、19年比でも6・0%増となった。県の県内旅行支援事業「わかやまリフレッシュプランS」の利用者が多く、那智の扇祭りが3年ぶりに開催されたことなどが要因とみられる。
和歌山市は、総数で19年と同水準に回復し、前年比で7・6%増となった。20、21年は中止が多かったスポーツ大会の開催や合宿の増加などが宿泊を前年比10%押し上げ、四季の郷公園のリニューアルオープン2周年イベントが好調だったことなどで、日帰りも同7・2%増となった。
高野町は、ろうそく祭りや高野山夏季大学の3年ぶり開催などにより、総数で前年比14・8%増加。宿泊客は同78・3%増の大幅な伸びを見せたが、インバウンド回復の遅れなどにより19年比では43・6%と半数以下の水準にとどまっている。