美味しさ充実 高校生ネット販売第3弾

和歌山県内の農業高校生が製造した農産物の加工品を、商業高校生がECサイト「メルカリShops」を通じて販売する、連携プロジェクトの第3弾が始まった。今回はジャムや佃煮などを販売。プロジェクトに取り組む和歌山商業高校(和歌山市砂山南)商業研究部の部長、藤田陽菜乃さん(16)は「前回までのジャムに加え、おかずなどの商品も増えたので注目してもらいたい。手に取ってもらえれば」と笑顔でPRしている。

メルカリShopsは、㈱メルカリのグループ会社、㈱ソウゾウが開発し、運営するECサービス。個人の不要なものを販売するメルカリとは違い、事業者や法人、ものづくりをする人らがスマートフォンで手軽に出品できる。

同社は昨年4月、ビジネスマインドの育成や地域理解の促進を目指す「メルカリShops×高校生等の教育連携プログラム」を開始した。以降、全国各地で進められているが、高校生が製造から販売まで一貫して行っているのは和歌山のみ。

全国に先駆けて県では同7月、同校の生徒がサイト内に開設したオンラインショップ「こだわりのうじょう」で、南部高校(みなべ町)のジャムを販売したところ、約10日間で200個が完売し、好評を得た。

同11月の第2弾では、紀北農芸高校(かつらぎ町)のジャムを販売。送料を抑えるため、瓶ではなくスパウト付きのパウチ容器に変更し、リーズナブルな販売価格を実現した。

本年度最後となる今回は、紀北農芸高から季節の果物を使った3種類(柿ゆず、柿しょうが、イチジク)のジャムとあんぽ柿、南部高からは梅干し(白干梅)と佃煮といった10種類がラインナップ。

「美味しさこだわりいろとりどり、高校生が手がける食品で、豊かで手軽な食生活を」をコンセプトに、普段の食卓により彩りを加えようと、ジャム以外の商品も増やした。

ラベルデザインは子どものいる家庭を意識してかわいらしく、さらに年配の人のために文字を見やすくするなど工夫。販売促進につなげるため、ジャムの購入者にはサンプルを付ける試みも取り入れた。

販売開始日の16日には、和歌山商業で出品前の最終確認会議が開かれ、メルカリ政策企画参事の天野宏さんや農業高校2校の生徒らとオンラインでつながり、出品作業を行った。

天野さんは「主体的に取り組む生徒らの姿に成長を感じて感動した」と目を細め、「卒業後に他府県へ出ていくことがあった時には、県の良さやいいものを忘れず、全国に発信していってくれることを期待しています」と呼び掛けた。

商品の購入は同サービス内のオンラインショップ「こだわりのうじょう」で。31日午後1時まで。

 

商品を手に笑顔の商業研究部の皆さん

 

ラベルデザインにも工夫を凝らした