「空飛ぶクルマ」実用化へ 県が協定締結

「空飛ぶクルマ」の和歌山県内での将来的実用化に向けて、県は1日、総合建設コンサルティング会社㈱長大(東京都)と連携協定を結んだ。2025年大阪・関西万博期間中に万博会場から県内まで実証飛行できる環境を整えるよう、推進していく。

空飛ぶクルマは、ドローンの技術を応用し、電動で滑走路がなくても離発着できる乗り物。移動時間の短縮、地上での渋滞解消、観光などの面から国内では官民一体となって研究開発や実用化を見据えた取り組みが行われている。

同社は社会インフラ全般の整備や維持管理、問題解決に取り組み、空飛ぶクルマの実装に必要なコンサルティングサービスを提供。経済産業省・国土交通省が主催する「空の移動革命に向けた官民協議会」などにも参画している。今回、海や万博会場、関空、四国との距離が近く、実証飛行の適地であり、和歌山での将来的な実用化の可能性が高いと判断した。

締結式は県庁であり、岸本周平知事と同社の野本昌弘社長が協定書に調印。岸本知事は「県の立地、自然の状況を評価していただいた上で、今回の協定を結ぶことができた。飛ぶクルマの実証飛行ができるように県としては場所の提供など、最大限の努力をしていきたい。飛行する時は、私もぜひ乗せていただきたい」と話し、夢のあるプロジェクトの連携に感謝した。

野本昌弘社長は、「空港から南紀の方は鉄道や車で非常に時間がかかるが、空なら数十分で行けるので、二次交通的な使い方、観光、災害時の支援、ドクターヘリなどに活用できると思う」と話した。

 

協定書を手に野本社長㊧と岸本知事