声掛けで特殊詐欺防止 農協職員に感謝状
特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山西署は2月27日、わかやま農業協同組合名草支店の安井幸子さん(39)と田倉枝美さん(48)の2人に感謝状を贈った。
2人によると、1月10日午前11時ごろ、80代の女性が同支店の窓口に訪れ、応対した田倉さんに「携帯会社から3300万円が当選したとメールが届いた」などと自身のスマートフォンを見せた。
女性はすでにメールに返信してしまっており、田倉さんがやり取りを確認すると、メール本文には女性の名前や口座番号も書かれてあった。
特殊詐欺を確信した田倉さんは、上司の安井さんに報告。2人は女性に詐欺の手口であることを説明し、新たな口座を開設する手続きをして特殊詐欺の未然防止に努めた。
同署で行われた贈呈式で、川上和彦署長から感謝状を受け取った田倉さんは「これからも窓口から積極的に声を掛けていきたい」、安井さんは「ひと言掛けることでお客さまの大事なお金を守っていけるよう、頑張っていきたい」と意気込んだ。
同署によると、昨年1年間における管内の特殊詐欺の認知件数は16件。被害総額は2247万円。最も多い手口はキャッシュカード詐欺盗で6件、架空料金請求詐欺が4件だったという。川上署長は「お金を振り込ませる手口から、キャッシュカードをだまし取る手口に変わっている。(受け子や出し子となって)気軽に犯罪に手を染める若者に向けても『捕まるで』という広報を強化していきたい」と話した。