接戦で投票率アップか 衆院1区補選

衆院和歌山1区補選(23日投開票)の戦いは残り3日間。自民元職の門博文候補(57)=公明推薦=と維新新人で元和歌山市議の林佑美候補(41)が激しく競り合っているとみられ、共産新人で党県常任委員の国重秀明候補(62)=社民県連支持=、政治家女子新人で党職員の山本貴平候補(48)の計4人による戦いは熱気を増しており、投票率の行方も注目される。

過去5回の衆院総選挙での和歌山1区(和歌山市)の投票率の推移を見ると、民主党に政権交代した2009年は67・31%、自民が政権復帰した12年は57・26%と高く、安倍政権下の14年は46・82%、17年は47・27%で50%を割り込み、岸田政権発足直後の21年は55・16%に上昇。その時々の政治状況により変動が大きい。

今回は補選とはいえ、岸田政権の「中間評価」となる衆参五つの選挙の一つで注目度が高い上、統一地方選前半戦で近畿を中心に党勢を拡大した維新による、県内初の国会の議席奪取が現実味を帯びる中、各陣営からは有権者の関心の高まりを感じる声が上がっている。

県、和歌山市の選挙管理委員会も投票率アップに力を入れる。1区補選は統一地方選後半の同市議選と同日の投開票。市議選の期日前投票が始まった17日以降、1区補選と市議選の投票が一度にできるようになり、市選管も投票所入場券の送付の際、両方の投票ができる期間を案内しており、終盤にかけて期日前投票者数の増加が予想されている。

18日には期日前投票所があるイオンモール和歌山(同市中)で、地元サッカークラブ「アルテリーヴォ和歌山」の田口遼(28)、吉谷有司(24)、竜田柊士(24)の3選手が啓発に参加し、ポケットティッシュを配り、買い物客らに投票参加を呼びかけた。

アルテリーヴォ選手の選挙啓発への起用は、県選管では昨年11月の知事選に続く取り組みで、市選管では初めて。

同市出身の田口選手は「若い世代の選挙への意識が薄れていると感じる。選手がこのように活動することで、少しでも興味を持ってもらいたい。自分たちも選挙に無関係じゃない。しっかり参加しましょう」と話していた。

投票参加を呼びかけ、啓発グッズを配るアルテリーヴォ和歌山の選手

投票参加を呼びかけ、啓発グッズを配るアルテリーヴォ和歌山の選手