特殊詐欺被害防止へ 県警等防止対策協議会
「和歌山県特殊詐欺被害防止対策協議会」が8日、和歌山市茶屋ノ丁の県自治会館で開かれ、県警や金融機関、郵便、宅配、コンビニエンスストア事業者、弁護士会から約60人が出席。特殊詐欺被害の実態や手口に関する情報共有や取り組みについての意見交換などを行った。
協議会は2014年度から、特殊詐欺被害防止を目指して開催。冒頭、県警の岸谷孝行生活安全部長がことし1月から4月末までの県内の特殊詐欺被害の認知件数は39件(前年同期比16件増)、被害総額は約1億5700万円(同1億700万円増)に上ると説明。
一方、昨年中に県内の金融機関などの窓口では計3660万円の特殊詐欺被害を水際で阻止した。岸谷生活安全部長は「相当の成果」とたたえ、「より一層の対策を今後とも推進していただきますよう、よろしくお願いします」と協力を呼びかけた。
講演では、科学警察研究所犯罪行動科学部犯罪予防研究室の島田貴仁室長が「特殊詐欺を防ぐために:人間心理の落とし穴から考える」をテーマに話した。
オレオレ詐欺の被害者調査の結果を示し、「手口を知っていた人や、普段から気を付けている人でも被害に遭っている」と説明。特殊詐欺被害に陥る人間心理や、高齢者の身体機能の低下、慣れや過信といった「ベテランバイアス」にもふれ、「個人の努力では被害は防げない。地域で被害防止に向けて取り組むことが大切」などと訴えた。