DX推進で連携 県とマスターカードが覚書
行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向け、和歌山県はクレジットカード大手のアメリカ企業・マスターカードとの連携を拡大する覚書に調印した。物品調達や出張旅費などの支出、決済プロセスの最適化、高度化を目指して実証実験に取り組む。
県とマスターカードは昨年1月、インバウンド誘客や観光客の消費拡大に向けた取り組みなどで連携する覚書を締結。今回の調印で連携項目を追加した。
調印式はこのほど県庁知事室で行い、岸本周平知事と、シンガポールからオンライン出席したマスターカードのアジア太平洋地域政府部門責任者、リム・コック・キー氏が覚書に署名した。
覚書の拡大に伴い、県指定金融機関である㈱紀陽銀行(和歌山市)、㈱紀陽カードディーシー(同)、三菱UFJニコス㈱の3社がパートナーシップに加わる。
経費の申請から支出、精算に至るプロセスをデジタル化、キャッシュレス化することで、県庁の業務負担の軽減を図るとともに、地域経済のネットワークを活用し、調達先や支払先となる県内企業などのデジタル化も支援していきたいとしている。
調印式で岸本知事は「和歌山県はDXで遅れていることを認めざるを得ないが、遅れているほど、最新の技術にキャッチアップできる。野心的なキャッシュレス社会への挑戦になる」と話し、マスターカード日本地区社長の内山憲氏は「県庁だけにとどまらず、県、関西の企業や生活者にDXが広がる第一ステップだと思っている」と期待を寄せた。