10年ぶり5月の梅雨 お城でアジサイ見頃
気象庁は29日、近畿、九州北部、中国、四国、東海の各地方が梅雨入りしたとみられると発表した。近畿は平年より8日、昨年より16日早く、5月に梅雨入りするのは10年ぶりのこととなる。
29日の和歌山市内は、断続的に雨が降るぐずついた一日となり、和歌山城公園西側の「鶴の渓」では、見頃を迎えたアジサイの花を見ようと、カメラや傘を手にした市民、観光客らが訪れている。
「鶴の渓」は、紀州徳川家の入国前、浅野氏の時代にツルを飼っていたことからその名が付いたといわれる。市によると、2006年に市が約100株を植え、翌年には民間からの寄贈で追加され、現在は約170株が群生している。
石垣に囲まれ、風情ある閑静な場所となっており、手まり型のアジサイやガクアジサイが青や紫、ピンクなど多彩な色で咲き、雨との共演を見せている。
仕事の昼休みに訪れたという市内の男性(46)は「ことしは成長が早いのか、例年より背が高いように見えます。少し見上げて楽しむのもいいですね」と話していた。
気象予報会社ウェザーニューズによると、今後10日ほどは、梅雨前線や湿った空気の影響で、曇りや雨の日が多くなるとみられている。