地域を知り防災学ぶ 中学生と住民が研修
土砂災害から命を守るため、海南市と同市立下津第二中学は5月30日、「地域×防災ワークショップ」を実施した。高齢化や地域の担い手不足が進む中、南海トラフ地震や豪雨災害などに備えて、地域住民と生徒が共に考えることで地域の防災力を強化しようと行われた。
ワークショップには生徒113人と加茂、仁義地区の住民約50人が参加。土砂災害の基本知識を学び、段ボールベッドの組み立てや地域のリスクを確認するグループワークを実践した。
同校の油谷正之校長は「大雨や台風などいつ来るか分からない。きょう勉強したことが自分や周りの人の命を守ることにつながるのを期待したい」とあいさつ。
第1部では、県土砂災害啓発センターの職員が、土石流や崖崩れ、地すべりといった土砂災害の種類や特徴などの基本知識を伝え、同市職員が災害時の情報の入手方法や日頃からの備えについて話した。
第2部では、10班に分かれ地域の人と生徒が協力し、5分以内に段ボールベッドを組み立てた他、航空写真を使用して地域資源や次世代に残したい景色、過去に崖崩れがあった場所などをチェック。災害から地域や自分の身を守るために何ができるかなど意見交換した。
3年の藤本宙さん(14)は「地域のことについて知らなかったことが多かった。この辺は山が多いので災害のとき崖崩れが怖い。今のうちに情報を入手する方法を確認しておきたい」と話した。
また、同研修会では、対話の見える化を図るため、グラフィッカーの奥野美里さんを特別講師に招き、グループワークで話した内容を絵にするグラフィックレコーディングも行われた。