地域防災で連携強化 近大と自衛隊が協定
地域防災に貢献する人材育成や大規模災害などへの対応力向上を目指し、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市西三谷)と自衛隊和歌山地方協力本部(和歌山市築港)は12日、「地域防災に係る連携・協力に関する協定」を締結した。
同大は2019年4月、学生・職員による「紀の川市消防団本部近畿大学部」を結成。22年2月には那賀消防組合と「災害に係る包括連携協定及び覚書」を締結し、さまざまな訓練を重ねている。
また、ことし2月には県が大規模災害の発生時に広域応援部隊の受け入れ場所となる宿営地の用地などを確保するため、同大と「広域防災拠点に係る覚書」を締結したのを受けて、地域防災に関わる自衛隊の広報活動に取り組む同本部が同大に依頼。今回の協定締結に至ったという。
締結式は同学部で行われ、同学部のマスコットキャラクター「BOST(ボスト)くん」と同本部の「みかんの助」が見守る中、古薗勉学部長と栫憲記(かこい・けんき)本部長が協定書に署名した。
今後の活動については協議をしながら具体化していくとし、栫本部長は「隊員を派遣し、授業支援や実技体験などさまざまなメニューを用意している。災害派遣では地域とのつながりが大事になってくるので、普段から関わりの一つひとつを大事にしたい」と意気込んだ。
古薗学部長は「災害派遣など、自衛隊の皆さんの実体験を通して若い学生や教職員にノウハウを教えていただくことで、さらに高みを目指して地域防災に貢献できる」と期待。「教育だけでなく、地域に根差した活動をした人材を地域に輩出していくという、大学の在り方としても大きな意義がある」と話した。