化粧品等の苦情増 22年度県消費者相談
2022年度に和歌山県消費生活センターに寄せられた消費者相談の件数は5635件(前年度比10・1%増)、うち苦情相談は5013件(同8・2%増)で、2年ぶりに増加した。化粧品の定期購入トラブルやエステティックサービスに関する相談などが急増し、SNSをきっかけとするトラブルも増加が続いており、同センターは注意を呼び掛けている。
苦情相談の年代別割合は、70歳以上が23・4%で最も多く、50歳代が21・3%、60歳代が20・3%と続き、60歳以上が全体の43・7%を占めた。30歳未満の若者は11・7%と少ないものの、同センターは増加傾向にあるとみている。
苦情相談の内訳は、「化粧品」の定期購入トラブルなどに関するものが464件(前年度比243件増)でトップ。2位は「健康食品」関連の相談の202件(同6件増)で、賃貸住宅の退去時のトラブルなど「不動産賃借」が161件(同4件減)、エステ事業者の倒産や契約・解約のトラブルなどの「エステティックサービス」が117件(同86件増)で続いている。
化粧品に関する相談の内容は、インターネットやSNSで低価格を強調する広告を見て、1回だけのつもりで注文した商品が、定期購入が条件となっており、想定以上の金額を請求されたというもの。昨年6月に特定商取引法が改正施行され、定期購入ではないと誤認させる表示の規制が強化されたが、依然として相談件数は多い。
エステティックサービスに関する相談は前年度の約3・8倍に急増。複数回施術を受ける契約で代金を支払ったが、契約回数に達する前に会社が倒産したケース、お試しのつもりで行ったエステ店で高額なサービスを勧められ、断りきれずに契約したケースなどがある。全体の約半分が20歳代で、若者は特に注意が必要となっている。
また、借金をさせて強引に商品やサービスの契約を結ばせる「クレ・サラ強要商法」に関する相談が前年度の2件から30件に増加。同センターは、断る際は「お金がない」ではなく、「いりません」ときっぱり伝えることが大切としている。
SNSに関する相談は328件で、年々増加する傾向にある。内容は、SNSの広告がきっかけの契約トラブル、SNSで知り合った人からの勧誘によるトラブルなど。年代別では50歳代が最も多い87件だが、幅広い年代から相談が寄せられている。
同センターは、相談は早いほどより良い解決につながるとして、一人で悩まず気軽に相談するよう呼びかけている。相談は同センター(℡073・433・1551)、消費者ホットライン(局番なし)「188(いやや)」へ。