改革の願い届ける 林佑美議員インタビュー

衆議院和歌山1区補欠選挙で日本維新の会の林佑美さんが初当選して2カ月。維新にとって県内初の国会議席の獲得となり、和歌山の政治状況に新たな変化をもたらした。21日に閉会したばかりの通常国会で、初登院、初の委員会質疑、地元自治体からの要望への対応など、連続する初仕事に精力的に取り組んできた林議員に、当選後の議員活動や、実現を目指す政策の展望などを聞いた。

プロフィル】 林佑美(はやし・ゆみ)。1981年生まれ、京都市出身。立命館大学大学院政策科学研究科修士課程を修了。教育訓練会社の役員を務め、2022年8月の和歌山市議補選で日本維新の会から初当選。23年4月23日、衆議院和歌山1区補選に維新公認で立候補し、維新初の県内の国会議席を獲得した。宅地建物取引士、管理業務主任者、調理師の資格を持つ。3人の子どもを育てる母親で、夫は県議の林隆一氏。

 


 

林佑美議員、初の国会語る

 

衆議院本会議場で紹介を受ける林議員

 

――初登院以来、どのような議員活動をしてきましたか。

当選後はすぐに国会に行き、採決に参加するなどしました。私は環境委員会に所属し、6月9日に初めて質疑をしました。その1週間ほど前に岸本周平知事が要望書を持ってこられたので、その内容を基に環境に関係することを質問しました。

エネオスが有田市の和歌山製油所の跡地で航空燃料のSAF(サフ)の研究開発を行うことについて、経済的支援ができないか環境大臣に伺いました。また、カーボンニュートラルの観点から県が林業に力を入れていくので、これについても財政支援を要望しました。

和歌山市議時代から取り組んできた、熱中症対策についても聞きました。燃料費が高騰する中、エアコンをつけないで控える人も多くなっていると思うので、国としてどういう対応を取っていくのか質問しました。

 

――初めての質疑の準備は大変でしたか。

市議の時とは、やり方も委員会の雰囲気も違い、びっくりしました。市議時代は市職員がもっと説明に来てくれましたし、スケジュールも、もう少しゆとりがあったと思います。国会の質疑は急に決まることも多いようで、準備に当てられる時間も少なく感じました。

衆議院環境委員会で初の質問に立つ

 

――他に市議時代と違いを感じた場面はありますか。

やじが飛ぶことですね。市議会では、質問が終わった後、個人的に他の議員から違う意見を言われることはありましたが、その場でやじを飛ばすことには驚きました。

 

――時間の制約が多いと思いますが、できなくなったことはありませんか。

逆ですね。東京に行くと夜は一人なので、自分の時間をしたい勉強などに使えるようになりました。家では、子どもが寝てくれるまでは絵本を読むなど望まれることをして、自分のことは後回しでしたので。自分の時間が欲しかったのかどうかは疑問ですけど。家庭と議員活動との両立はもっと大変かと思っていましたが、子どもたちがしっかりしてくれているので、うれしいですね。

 

――特に力を入れている政策は何でしょうか。

選挙の公約でも訴えてきましたが、教育の無償化は必要なことだと思います。先日、維新の馬場伸幸代表が予算委員会で質問しましたが、0歳から大学院までの無償化を目指し、力を入れていきたいです。

市議の時は、質問しても「国の動向を見て…」というような答弁が多かったですから、国を動かしている大臣に直接、質問でき、意見を聞ける機会を与えてもらったことに関してはすごくうれしいです。

和歌山の発展のためには森林整備、林道整備も必要だと思います。岸本知事が言われていましたが、和歌山の山は傾斜が急で危険なので、なかなか林業が進まない面がありましたが、今は高機能な機械があり、導入していけば和歌山の林業をもっと進めていけるのではないかということです。その機械を入れるにはお金が必要なので、国から支援をもらえるとうれしいと言われていました。力を入れていきたいと思います。

 

――国会議員として、地元自治体との連携に関して、どのように考えていますか。

国会議員は地元と国とのパイプ役です。知事や市長の要望を聞いて質問などをしていきたいですし、力になりたいと思っています。和歌山のために、地元の願いを国にちゃんと届けていくことが私の仕事です。

 


 

誰もが尊重される社会を

 

当選証書を受け取る林議員

 

――どのような政治家を目指していますか。

誰もが平等に尊重される社会をつくれるように尽力する政治家になりたいと思っています。そのためには、声を聞くというところがとても大事だと考えています。市民の声を聞くには辻立ちが一番だと、岸本知事がかねがね言っておられました。時間をとるのは難しいと感じますが、街にいらっしゃる方々とふれあう機会を、とにかく多くしていきたいと思っています。

 

――現在の国政の在り方で、変えなければいけないと考えていることは何でしょうか。

「こういう政策をするので、お金を集めます」と、何でも国民に負担をかける政治になっていると思います。維新は大阪で生まれた政党です。大阪は住民に負担をかけず、財政を健全化し、いろんな政策をしてきました。給食の無償化、教育の無償化もそうです。しがらみで政治をすることをなくし、行財政改革をして、より良い国にしていきたい。大阪での改革を国でもしたいと思っています。私が初めて議席を頂いたのは、和歌山でも改革を実現してほしいという期待の表れであり、応えていこうと思っています。

政治は数ですから、地方議員、国会議員を増やしていかないといけません。維新の改革、維新のスピリッツをもっと皆さんに知っていただき、応援していただけるよう頑張っていきます。