豪雨災害の経験生かし 紀美野で自主防災訓練
9月1日の「防災の日」を前に、和歌山県紀美野町の下神野小学校で27日、総合防災訓練が開かれた。下神野、福田、上神野、国吉地区の児童や地域住民、行政関係者ら約200人が参加し、防災意識を高めた。
同地区は、6月2日の台風2号による線状降水帯の大雨の影響で真国川が氾濫、床上浸水や土砂崩れなどの被害を受けた。
下神野地区自主防災組織の松本守信会長(59)によると、2日は同地域にある美里中学校、下神野小学校、神野市場集会所の3カ所の避難所を開設したという。
このうち、実際に住民が避難したのは下神野小学校のみだったため、今後、災害時には同小が実質的な拠点になるとみて、訓練場所をこれまでの美里中学校から下神野小学校に変更して行われた。
松本会長は、下神野小学校体育館には30人ほどが避難、うち9人が宿泊したことや、役場の人は災害対応で手が回らず、防災組織が避難所を運営したこと、就寝時の照明の調節が難しかったことなどを報告した。
体育館では、同町役場総務課が当時の被害状況や役場の対応などを説明する他、福祉課による「避難所での認知症の人への対応」などの講座が開かれた。
大角地区に住む70代の男性は「災害の時はもうすぐで床下浸水という状況を見ていただけだった。近所の橋も流されまだ復旧していない」「きょうの講座を聞いて忘れていたこともあり再認識できた。前もって対策していかないと」と話した。
教室では美里中学校の1、2年生が小学校1、2、3年生に防災に関するクイズを出題。防災グッズ作りや併設するこうのこども園の防災設備の見学などもあった。
松本会長は「どんな災害だったのかということを再認識できた。経験したことを今後に生かしたい」と話した。