JAわかやま合併30周年 式典で竹田恒泰さん講演
和歌山市内の6農業協同組合の合併により、わかやま農業協同組合(JAわかやま)が発足して30周年を記念する式典が1日、七番丁の和歌山城ホールで行われ、組合員ら約700人が節目を喜び合い、記念講演に耳を傾けた。
JAわかやまは1993年10月1日、加太、和歌山河西、和歌山北、和歌山東、和歌山市中央、和歌山市の市内6農協が合併して誕生し、99年4月にはJA雑賀と合併し、市全体を管内とする1JA1行政体制となった。
管内は、生産量全国第2位の新ショウガ、農産物で県内初の地理的表示(GI)保護制度に登録された「わかやま布引だいこん」の他、関西圏を代表するトウガン、春キャベツの産地などを擁し、JAとして「紀州てまり野菜」の商標登録など、産地ブランドの確立や生産・販売の拡充を推進。10年5月に発売した「生姜丸しぼりWakayama Ginger Ale」が全国的なヒット商品となるなど、6次産業の特産加工品の開発にも力を入れてきた。
記念式典のあいさつで坂東紀好代表理事組合長は、JAわかやまの30年は「社会の変化と時代のニーズに対応しようと努力を重ねてきた歴史だった」と振り返り、現在も、輸入依存度の高い生産資材の高騰が続くなど、農業経営は厳しい状況にあり、農業生産過程においてもカーボンニュートラルへの対応が迫られるなどの大きな変化に直面していることにふれ、「農業と地域になくてはならない存在であり続けるため、不断の自己改革に努め、地域社会の核として強固なJA組織の構築にまい進していく」と述べた。
岸本周平知事や尾花正啓和歌山市長らが祝辞を述べ、30年の歩みを紹介する映像が上映された。
記念講演の講師は、作家で明治天皇のやしゃごに当たる竹田恒泰さん。「日本人の底力」と題し、新冷戦とも呼ばれるアメリカと中国の対立、ロシアによるウクライナ戦争などの厳しい世界情勢の中で、日本には経済やものづくりをはじめ、今も大きな強みがあることなどを語った。