塗り重ねた「和の美」 日本画の伯玄会展

日本画グループの伯玄会(新田博昭理事長)の作品展が5日、和歌山市七番丁の和歌山城ホール展示室で始まった。8日まで。

同市の日本画家、故稲垣伯堂氏の門下生33人が、花鳥風月を題材に描いた日本画、水墨画の額装や、軸装の作品約60点を展示している。

同会は墨や顔彩で、和紙の表と裏の両方から色を入れる伝統的な技法で表現。和紙に墨で描いた後、紙をもんで霧吹きで水をかけ、裏から精製した土をたたき込む。両面を使うことで、奥行きのある柔らかい作品に仕上がっている。

新田理事長(88)は、山口県長門市の青海島で見た風景を描いた「愛してる!」という作品を出展。

「夕日を浴びて二つ並ぶ岩が、まるで恋人同士が語り合っているように見えた。先生の教えを守り、墨を重視し、何回も塗り重ね1カ月かけて描いた」という。

毎年、来場しているという同市の75歳の男性は「それぞれの作品に個性が出ていて面白い」とじっくり鑑賞していた。

新田理事長は「メンバーが1年かけてテーマと画材を探し、苦労して描いた作品を見てほしい」と話している。

午前10時から午後5時(最終日は3時)まで。

 

作品に見入る来場者