交流の拠点に 旧中之島保育所活用で協定
2020年3月末で閉所した和歌山市中之島の旧市立中之島保育所が、住民主体で運営する地域交流拠点施設として活用されることが決まった。維持管理を行う中之島地区連合自治会(白井公雄会長)、旧中之島保育所施設運営協議会(同)と市は11月30日、市役所で基本協定を締結。今後、施設の改修や整備を進め、24年度中の完成を目指している。
旧保育所は1977年建築の鉄筋コンクリート造り2階建て、敷地面積623・02平方㍍、延べ床面積581・81平方㍍の施設。北大通りに面し、中之島連絡所や中之島公園と隣接している。教室などを活用し、コミュニティースペースと民間活用部分に分け、テナントの賃貸料はまちづくり活動費や維持管理費などに充てる。
市は施設を無償貸与し、連合自治会が行う施設整備の費用を一部補助する。幼児用のトイレの改修などが必要となる。
整備費は連合自治会、国、市が各1000万円を支出する計3000万円で、市は開会中の12月市議会に、補助分の2000万円を含む補正予算案を提出している。
施設運営協議会には、中之島地区にある宝塚医療大学和歌山保健医療学部も参加。理学療法士や作業療法士を育成する同学部の知見を生かし、教員や学生と連携しながら、高齢者が多い地域住民の健康づくり、子どもたちの運動指導などの活動に取り組むことが検討されている。
民間活用部分は、カフェや学習塾、カルチャー教室などの幅広い用途を想定している。
協定締結式は市長室で行われ、白井会長と尾花正啓市長が協定書に署名した。
尾花市長は「保育所が新たな地域のコミュニティー施設としてよみがえる。収益も上げながら運営する体制が出来上がった。市も協力して、より活用しやすい場にしていきたい」と期待を寄せた。
白井会長は「住民が外に出て集い、話し合える場をつくりたい。宝塚医療大学と一緒に、中之島を元気にする活動を考えていきたい」と話した。