和歌山からも派遣部隊 能登半島地震で
1日午後4時10分に発生した最大震度7の能登半島地震は、甚大な被害を受けた石川県内で4日も警察や自衛隊などによる捜索が継続され、生存率が急激に下がるとされる「発生から72時間」が迫る中、安否不明者の発見に全力を挙げた。和歌山県内からも、緊急消防援助隊や日本水道協会県支部の給水車などが被災地に派遣され、救援活動を展開している。
石川県などによると、輪島市で44人、珠洲市で23人が亡くなるなど、県内の犠牲者は78人に上った。同県は3日夜、輪島市と穴水町で計15人が安否不明になっているとし、氏名を公表。その後10人の安否は確認されたが、4日午前、新たに珠洲市と輪島市で計46人の不明者の氏名を公表した。家屋の倒壊現場などで捜索活動が難航しており、被害の全容は依然として判明していない。
県内の355カ所に避難所が開設され、約3万3000人が身を寄せた。厚生労働省によると、石川、新潟、富山各県で発生した断水は、3日午後2時半時点で計約11万戸に上り、自衛隊などが給水支援を行っている。
石川県を中心に余震が続いており、3日は未明に珠洲市、午前に輪島市で震度5強を観測した。捜索は二次災害を警戒しながら、慎重に行われている。
和歌山県からは、消防庁の要請に基づき、県内17消防局・消防本部からなる第1次の緊急消防援助隊県大隊41隊142人が、1日午後11時6分に和歌山市の阪和自動車道紀ノ川サービスエリアを出発。2日朝に石川県に入り、志賀町から金沢市への転院搬送などの救援活動を行った。
3日朝にはさらに北部の穴水町、能登町へと出発したが、道路が各地で寸断されている影響で、この日は移動のみで終わったという。
4日午前9時40分には、第2次の緊急消防援助隊県大隊41隊140人が、第1次大隊と交代のため、和歌山市を出発。同救助隊県航空部隊1隊8人も同10時3分、消防防災ヘリ「きしゅう」に乗り込み、白浜町を飛び立った。現地に到着後、救急搬送や物資輸送を行う予定。
給水支援では、日本水道協会の要請を受け、同協会県支部を代表して和歌山市から給水車1台、支援車両1台、職員4人が3日午後2時に石川県金沢市に向けて出発した。
和歌山市役所前で尾花正啓市長ら幹部職員が見送り、尾花市長は「命の水を一日も早く給水してほしい。現地では余震が続いている。自分の命をしっかり守りながら活動してほしい」と激励。管路整備課の辻瀬鉄也副課長は「安全面に十分気をつけて、精いっぱい頑張ってくる」と話した。