有吉愛用の酒器や青磁 記念館で迎春展示

和歌山市出身の作家・有吉佐和子の旧宅を復元した有吉佐和子記念館(同市伝法橋南ノ丁)では、迎春展示を31日まで行っている。

遺品の中にある、お正月と干支(えと)の辰(たつ)に関するものを展示。

1階には、有吉家で正月にとそを飲むときに使っていたそろいの酒器がある。有吉家ではとそを熱燗にしていたため、鉄瓶も一緒に木箱に収納されている。娘の玉青さんが、母への思い出話をまとめたエッセー『身がわり』には、「三つ重ねられたお屠蘇(とそ)の盃を年の小さい者から順にとってゆくきまり」と書かれている。雑煮は元旦と2日がすまし汁で3日が白みそだったことが展示とともに紹介されている。

2階茶室には、ふたに竜の頭があしらわれた陶芸家・加藤実による青磁の香炉を展示。有吉は青磁を好み、作品の中には青磁のつぼを主人公にした小説『青い壺』もある。

また、作家の労力を感じてほしいと、有吉のデビュー作品『落陽の賦』の自筆原稿を全てまとめて展示している。

午前9時から午後5時まで。休館日は水曜日。問い合わせは同館(℡073・488・9880)。

展示されている酒器など

展示されている酒器など

 

有吉自筆の原稿も

有吉自筆の原稿も