若い力でまちを元気に 海南高生がイベント
謎解きゲームや蔵出しみかんの販売など、和歌山県立海南高校2年文系の生徒が企画したイベントが10日、JR海南駅前の一番街商店街で開かれ、子どもから大人まで多くの人らでにぎわった。
「魅力ある海南地方の創成」をテーマに「総合的な探究の時間」の授業の一環で開かれた。人通りが寂しくなった商店街の活性の一助になればと、高校生の視点から考えた内容で空き店舗を活用、ワークショップや菓子の販売などが楽しめた。
嫌いなニンジンを捨てた主人公の太郎くんが、夢の中でニンジンになって捨てられ、焼却場へ向かうという、オリジナル紙芝居「夢の太郎」の読み聞かせコーナーには、親子連れや地元小学生らが集まり、高校生が考えた物語に聴き入っていた。
焼却される寸前で目が覚めた太郎くんは、それからは残さず野菜を食べるようになったとの結末に、生徒は「食べ物の大切さを分かって何でも食べてね」と皆に呼びかけた。日方小学校の女子(11)は「野菜は嫌い。だけど紙芝居を聞いて、できるだけ食べようと思った」と話した。
謎解きゲームを目的に来たという同小学校の5年生女子4人は「みんなで約束して来た。商店街を歩いて謎解きができ、いろんな店があって楽しかった」と話した。
他にも、オリジナルグルメマップ展示やシュロ商品の販売もあり、来場者は「チラシを見て来た。頑張ってね」と、生徒に声をかけていた。同商店街にある店舗「ハリマヤ」の東美智さんは「子どもの声が聞こえるのはいい。若い人が育つと町も市も盛り上がる。続けてもらえたら」と笑顔だった。
同高の中川諒星さん(17)は「思ったよりたくさんの人が来てくれた。謎解きのスタート時間や、ネットのトラブルで制作した『空き家啓発ビデオ』が上映できない問題もあったが、楽しんでくれて良かった。次につなげたい」と話した。