海上保安業務かっこいい 下津二中生が体験

海南市立下津第二中学校の2年生3人は14、15日の2日間にわたり、進路学習の一環として海上保安庁海南海上保安署(同市下津町下津)で職場体験学習を行った。

将来の進路選択に役立ててもらおうと、毎年同校が同署の協力を得て実施。初日は船のロープワーク実習や空気ボンベを背負う体験が実施された。

海上保安庁は下津港を中心に、密航や密輸の水際対策、地震、津波対策、船同士の衝突、船舶火災の消火活動や人命救助活動など、海上での保安業務にあたる。

ロープワークの実習では、巡視艇「わかづき」の甲板で行われ、船をつなぎ留めるときに使う「もやい結び」や「ふた回りふた結び」、「帆足取り」などの結び方を習得した。

3人は、初めて見る結び方に苦戦しながらも、署員に指導を受け何度も練習。最後は手際よく一人で結べるようになった。鯨奏太さん(13)は「難しかったが習った結び方を家でも練習し役立てたい」と笑顔。

ライフゼムと呼ばれる、空気呼吸器を装着する体験では、ボンベやハーネス、マスクなどに割れやヒビがないかを確認した後、実際に背負い、マスクをかぶり呼吸をした。

火災時や有害気体物質が発生しているときに、呼吸を確保するために使用することや、通常では約2時間、作業しながらだと約30分間、呼吸ができるなどと、同署員が説明。3人は、総重量約15㌔を順番に体験し「普通に呼吸ができる」「重たい」「これで作業するのはきつい」と感想を話し合った。

鯨さんは、以前に同署が同校で行った出前授業を受け、職場体験の参加を決めたといい「人目にあまりふれることがない、海上での人命救助など人の役に立っている署員の姿がかっこよく思い、保安員に興味が湧いた。体験してさらに興味が出た。将来の一つの選択肢にしたい」と話した。

2日目は、救命胴衣の有効性について学び、巡視艇に乗り込んで下津港から和歌山マリーナシティを航海。船内で船飯を食べる体験をした。

 

総重量約15㌔の装備を体験する生徒