一輪車で世界大会へ 亀川小4年の岸畑さん

和歌山県海南市立亀川小学校4年の岸畑依千花さん(9)が、アメリカ・ミネソタ州のベミジーで7月に開かれる一輪車の世界大会出場に向けて練習を重ねている。スポーツとしての一輪車は、競技人口が少ないことなどもあり、あまり知られていないのが現状。岸畑さんは「世界大会で優勝して一輪車の楽しさをたくさんの人に広めたい。オリンピック競技になったらいいな」と夢を膨らませている。

岸畑さんが一輪車に興味を持ったきっかけは、小学1年生の時、休憩時間に学校にあった一輪車で遊んだこと。面白さを知り、帰宅後も乗りたいと地元のスポーツクラブに通い始めた。2年の頃には、ペダルを使わず両足でタイヤを回転させる「タイヤ乗り」種目のトラック競技で好タイムを記録。本格的に練習を始めた。

昨年10月には、静岡県で開かれた全日本一輪車競技大会トラックレース部門のタイヤ乗り・小学3~4年生クラスで、68人の出場者を制し優勝。ことし2月に第62回県スポーツ賞・奨励賞、3月に第19回海南市スポーツ賞に選ばれた。

現在は世界大会に向けて同クラブと県一輪車協会で週3回、練習を重ねている。

「タイヤ乗り」の他、トラックレースの「100㍍」「400㍍」「片足」にも出場予定で、日本国内の大会にはない「スラローム」にも挑戦する。より技術を磨きたいと、親子で国内の有力選手を調べ、SNSを通じて3月と5月、静岡県で開かれた合同練習に参加し、自ら有力選手らに指導を仰いだ。国内大会では緊張しなかった岸畑さんは、世界大会に向け緊張感を高めているという。

世界大会出場に関しては全て自費で、援助もない。父の喜成さん(40)が出場にかかる資金を募ろうとクラウドファンディング(CF)で呼びかけたところ、初日で目標金額の50万円を達成した。

目標金額は依千花さんの出場にかかる費用で、大会出場料12万8000円、渡航費27万7000円などを含む。経費がかさむことから、引き続き30日までCFサイト「キャンプファイヤー」の該当ページで寄付を募っている。

寄付額は3000円から10万円まであり、リターンは金額に応じて、現地での写真やお礼の手紙、県産のゆら早生みかん、高級いちご「まりひめ」、和歌山市内の理髪店でシェービングとマッサージなどがある。

喜成さんは「マイナー競技なので、実力があっても世界大会に行けない選手が多くいる」として、「今後、資金面で困っている選手のサポートもしていきたい。一輪車の認知度が上がり、子どもや選手たちが世界で輝けるように、多くの方にご支援をいただけるとうれしいです」と呼びかけている。

一輪車の練習をする依千花さん(喜成さん提供)

一輪車の練習をする依千花さん(喜成さん提供)