「和歌の浦あしべ庵」 命名の2人に感謝状

感謝状を手にする水流さん㊨、東方さん㊧と尾花市長
感謝状を手にする水流さん㊨、東方さん㊧と尾花市長

和歌山市が和歌の浦の魅力発信の拠点として整備している施設「和歌の浦あしべ庵」の名称を提案した2人に16日、尾花正啓市長から感謝状が贈られた。

施設の名称は1~2月に公募し、202人が373作品を応募。同市の水流(つる)徹浩さん(58)と海南市の東方美喜夫さん(65)の2人が「あしべ庵」を提案し、4月に名称候補に選ばれ、6月市議会での施設設置関連条例の可決を受け、正式に名称として決定した。

「あしべ(葦辺)」は奈良時代の万葉歌人、山部赤人が和歌の浦を詠んだ和歌に使われ、親しまれており、提案した2人とも思い入れがあり、自然と浮かんだ言葉だったという。

選考委員会でも、和歌の浦の象徴的な言葉であり、簡潔なひらがな表記で外国人にも分かりやすいなどと評価された。

感謝状の贈呈式は市長室で行われ、2人を表彰した尾花市長は「素晴らしい名前を付けていただいた。多くの市民、観光客に、この施設を拠点として和歌の浦を楽しんでもらいたい」と述べた。

東方さんは、和歌の浦に臨む市立明和中学校の出身で、在校時代から誇りを感じてきたことを紹介し、「若い人もたくさん訪れる拠点施設にしてもらえたらうれしい」と喜び、水流さんは「和歌の浦はとても好きな場所。『あしべ』は地域のいろんな場所に使われ、すぐに浮かんだ。文豪が暮らすような場所のイメージで『庵』をつけた」と笑顔で話した。

ことしは聖武天皇の和歌の浦行幸から1300年の節目を祝い、10月に「和歌の聖地・和歌の浦 誕生千三百年記念大祭」が予定されており、あしべ庵は9月ごろの開館を予定している。