有志の夜回り15年目 毎月活動、清掃も

JR駅前でごみを拾う有志メンバー
JR駅前でごみを拾う有志メンバー

夏休みに入り、開放的な気分から、夜の繁華街などで過ごす子どもたちが増える季節。和歌山市内の夜のまちを毎月歩いて見守る、有志による夜回り活動がことしで15年目を迎えた。青少年の立ち直りや自立を支援する県BBS連盟(高垣晴夫会長)が呼びかけ、2010年にスタート。遅くまで駅前にいる若者たちに声をかけるなどし、目配りに努めている。

毎月第2・4金曜日の夜9時にぶらくり丁に集合し、繁華街の新内(あろち)やJR和歌山駅前・駅裏を巡回。夏場は特に人の動きが活発になることから、7月は清掃活動も併せて実施している。

夜回りの参加者は毎回20人ほど。新たなメンバーも加わり、健康維持のためにウオーキングを兼ねて、犬を連れて散歩しながらなど、それぞれ緩やかに活動を継続してきた。

居場所を求め遅くまで外出している若者にさり気なく声をかけたり、悩んでいることがあれば相談窓口を紹介したり。これまでには、路上でスケートボードをしている若者からスケボーができる場所が限られている現状を聞き、広く理解を広げようと、共同のイベント開催に結び付いたこともあった。

未成年の喫煙を注意することもある。初めはなかなか声をかけづらいが、何度か顔を合わせるうち、話ができるようになってくるという。

活動に加わって5年目という同市の自営業、矢田真裕さん(56)は「若い子たちに話しかけると、素直な言葉が返ってくる。声をかけられるのを嫌っている訳でなく、待っている気もします」と話す。

この日は、15人がハンドキャッチャーを使い、たばこの吸い殻や空き缶などを拾いながら歩いた。ホテルのカードキーの落とし物もあり、該当施設に届けた。

県BBS連盟会長の高垣さん(62)は「いろんな人に話を聞くことで、まちのこともよく分かってくる。夜のまちで、子どもたちから教えてもらうことは多い。継続が確かな力になっているのを感じます」と話している。