巨大地震に注意を 初の南海トラフ臨時情報

南海トラフ地震臨時情報を受けて開かれた県災害対策本部会議
南海トラフ地震臨時情報を受けて開かれた県災害対策本部会議

8日午後4時43分、日向灘を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震発生を受け、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報」を発表。和歌山県は災害対策本部を設置し、県幹部や関係機関が会議を開くなど対応に当たった。本部長の岸本周平知事は「1週間程度は十分に注意するようお願いする」と県民に呼びかけた。

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフの想定震源域やその周辺でM6・8以上の地震が発生した場合などに発表されるもの。気象庁は、後発の大規模地震の可能性など南海トラフ地震との関連を評価の上、2時間程度で結果を発表し、防災対応をとる必要性があれば、巨大地震注意または同警戒の臨時情報を出す。対応の必要がなければ調査を終了する仕組みとなっている。

今回の地震はプレート境界の一部がずれ動いたことによるものとみられ、評価の結果、別の大規模地震が想定震源域で発生する可能性が高まっていることを示す「巨大地震注意」が発表された。

過去の世界の大規模地震統計データでは、M7・0以上の地震発生後に同じ領域でM8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度となっている。

巨大地震注意の発表を受け、県は県民に対し、避難経路の確認や非常持ち出し品の点検など、日頃からの地震への備えを再確認し、地震の発生に注意しながら通常の生活を送ることを呼びかけた。

「警戒」の場合は、津波避難困難地域に指定されている7市町(新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、すさみ町、白浜町、印南町)の一部に1週間の事前避難を呼びかけることになるが、今回はその事態は避けられた。

県は8日夜、県庁南別館で2回にわたり災害対策本部会議を開催。当面は県職員が24時間体制で交代しながら対応に当たること、各部が所管する関係機関への連絡や連携の確認などを行うことが報告された。

岸本知事は、県民には「避難所の場所や避難所までの移動経路、水や食品の備蓄など、地震への備えを再確認し、1週間程度は地震への避難に重きを置いた行動をとってもらいたい」と呼びかけ、職員に対しては「新たに気が付いたところがあれば迅速に、機動的に、弾力的に対応し、緊張感を持った中で、県民の命と暮らしを守るのが県庁の最大の仕事なので、よろしくお願いする」と話した。