対応の統一基準を 南海トラフ臨時情報で知事

「用心し過ぎたのではないか」と岸本知事
「用心し過ぎたのではないか」と岸本知事

岸本周平和歌山県知事は20日の定例記者会見で、気象庁が発表した南海トラフ地震臨時情報(今月8~15日)の対応を振り返り、政府が民間観光事業者やイベント主催者らの対応に関する統一の基準をつくるべきとの考えを示した。

県や各自治体では臨時情報の発表で職員がローテーションを組んで24時間体制で業務に当たるなど注意し、県民に対して避難路や備蓄など日頃の地震の備えの再確認を求めた経緯があり、岸本知事は「緊張感を持って受け止め、用心にこしたことはない」として、適切な対応だったと説明。

一方で、「今回の臨時情報は気象庁や学者によると、経済活動は普段通りやって、地震への備えを改めてしてほしいとのメッセージだったと説明している。それを考えると、気持ちの持ち方として私自身も含め用心し過ぎたのではないか」と指摘。県内では、臨時情報の発表を受けて海水浴場の閉鎖や花火大会の中止など、各地域によって対応が異なったこともあり、「イベント主催者らは本当に悩んだと思う。一定の同じ対応ができるよう、内閣府に基準をつくっていただきたい」と話した。

民間ホテルでキャンセルがあったことには、「台風などの災害と同じととらえ、県が補償を出すことはできないが、それを取り返す前向きな観光事業を考えたい」とした。