「黄河大系」等100冊寄贈 山東省から2度目

贈られた本と中尾さん
贈られた本と中尾さん

和歌山県と中国・山東省の友好提携40周年を記念し、同省の出版社「山東出版集団」が8月、和歌山市手平の県国際交流センターに書籍約100冊を寄贈した。4月に続いて2度目の寄贈で、本は全て中国語で書かれている。

今回の寄贈書籍の中でも貴重とされる本が「黄河大系」12巻、計20冊ある。黄河は中国で「母なる川」として親しまれ河口は山東省にあり、国や地域の発展と密接につながってきた。黄河文明に関する「陶器」「玉器」「詩詞」「古城」「絵画」「生態」「治水」など12の分野について、専門的に書かれている。

同センター職員の中尾静さんは「歴史、資源、精神などいろいろな角度から黄河についての文化継承になる内容です。黄河を体感でき、学び直しができます」と話す。

その他、漢方医学に関するものも多い。中国国内で有名な漢方医学の専門書「本草綱目」を青少年向けに読みやすく編成した本は、中国語が読めなくても、身近にある植物の漢方としての効用を知ることができる。

県と同省の40年の歩みが、日本語と中国語で書かれた2冊セットの記念誌もある。子ども向けに、中国の泉や中国茶、中国にしか生息しない生き物などを紹介したハードカバーの絵本もあり、多くの人に読んでもらいたいと2冊ずつ贈られた。

中尾さんは「中国では医食同源を大切に考えていて、薬になるとされる植物がとても多い。専門性が高く難しい本もあるが、色鮮やかな絵で内容が入りやすい本もある。ディープな世界に浸ってほしい」と話している。

同センターの北山徹事務局長は「多くの人にご利用いただき、異文化にふれてもらえたら」と来所を呼びかけている。

寄贈書は自由に閲覧でき、一部貸し出し可能。