地域の安全見守り50年 伏虎交通少年団が式典

前田団長㊧から寄贈品を受け取る筒井さん(手前)と妙中さん
前田団長㊧から寄贈品を受け取る筒井さん(手前)と妙中さん

和歌山市の伏虎交通少年団(前田敏宏団長)が結成50周年を迎え、同市鷲ノ森南ノ丁の伏虎義務教育学校で3日、記念式典が行われた。団員、同校関係者、来賓ら約60人が出席し、半世紀にわたり地域の安全を守ってきた歩みや、今後の事故防止への決意を新たにした。

同少年団は、1973年に本町地区で女子児童が交通事故に遭い重傷を負ったことをきっかけに、子どもたちに交通ルールやマナーを学んでもらおうと、74年に全国で2番目の交通少年団として誕生した。現在は同校3年生から6年生の39人が所属し、県警らと協力した啓発活動、交通ルールなどが書かれたかるたやすごろくの大会、県子供交通安全自転車大会への出場など、積極的に交通事故防止のために活動している。

式典に先立ち、ことし8月に逝去した野村晴一前団長の功績をたたえ黙とうをささげた。式典では尾花正啓市長、西川俊秋県交通安全協会専務理事、木村一紀伏虎義務教育学校長らが祝辞を述べ、尾花市長は「これまで50年にわたり、地域の交通安全を支えてきた皆さまに心から御礼申し上げたい」とあいさつした。

寄贈品の贈呈は前田団長から、代表の6年3組の筒井瑚羽さんと、6年2組の妙中美羽さんに行われた。前田団長は「自分の命は自分で守るの意識を持って、これからも学校生活や家庭生活を送り、立派な社会人になってください」と激励した。

これまでの歩みを振り返る約270枚のスライドショーもあり、児童たちは、「懐かしい」「あれ私のお姉ちゃんだ」と笑顔を見せた。

実際にトラックと女子児童が衝突する交通事故を目の当たりにしたことがあるという筒井さんは「事故を見た時から交通ルールを守ることを強く意識している。これからもしっかり交通ルールを守っていきたい」、妙中さんは「少年団で京都府警の騎馬隊を見たのが良い思い出と経験になっている」と話した。