11陣営が立候補を準備 衆院選15日に公示

第50回衆院選が15日に公示される。1日に誕生した石破茂内閣は、戦後最短の発足8日での衆院解散に踏み切り、和歌山県内各陣営は慌ただしく選挙準備を進め、公示を目前にようやく対決の構図は固まった。「10増10減」の区割り見直しにより、県内の小選挙区は3から2に減少。解散前の与党2、野党1の勢力図はどう変わるのか。27日の投開票に向けて12日間の決戦がいよいよ始まる。

区割り見直しにより、新和歌山1区は旧1区の和歌山市に隣接する紀の川市、岩出市を加えた3市に、新和歌山2区は3市を除く県内27市町村の広大な選挙区に変わる。

立候補を予定している顔ぶれは、1区が自民党新人で前和歌山市議の山本大地氏(33)、立憲民主党新人でコンサルティング会社経営の村上賀厚氏(65)、日本維新の会前職の林佑美氏(43)、共産党新人で元和歌山市議の井本有一氏(58)、参政党新人で食品販売店経営の林元将崇氏(26)の5人。2区が自民党新人で元衆院議員秘書の二階伸康氏(46)、立憲民主党新人で和歌山市議の新古祐子氏(52)、共産党新人で前県議の楠本文郎氏(70)、無所属新人で前自民党参院幹事長の世耕弘成氏(61)、無所属新人で政治団体代表の本間奈々氏(55)、政治団体「鼎立の党」新人で農業の高橋秀彰氏(42)の6人。各陣営は街頭に立ち、あいさつ回りや決起集会などに忙しく、前哨戦を繰り広げてきた。

〝保守王国〟と呼ばれる県内にあって旧1区(和歌山市)は、補選を含め過去6回連続で自民が敗れた地域。新1区の初の戦いは、2023年4月の旧1区補選で初当選した林氏に、4人の新人が挑む。悲願の議席奪取を目指す自民は、予定候補者の選び直しを経て、9月に山本氏が立候補を表明してまだ1カ月余り。村上氏、井本氏、林元氏も短期間での知名度拡大を求められている。野党の候補者調整は行われず、有権者の選択肢は増えており、投票行動が注目される。


新2区は、自民派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題を受けて引退した二階俊博元党幹事長の後継である伸康氏、裏金問題の当事者で離党した元党幹部の世耕氏の対決が軸。強固な地盤を持つ2人の保守分裂選挙には、全国的な争点である裏金問題、世襲問題などの論点が重なる。自民以外の各党、陣営は「政治不信の震源地」(立憲幹部)として重要な選挙区と位置づけており、新古氏、本間氏、高橋氏が相次いで名乗りを上げ、乱立の選挙戦へと突入する。

小選挙区の立候補届け出は、県庁北別館4階で15日午前8時半~午後5時に受け付ける。各陣営は届け出の後、選挙事務所などで出陣式、第一声を上げる。