「玄関に布」で安否確認 和歌山市が推奨

黄色い布を示しながら取り組みを説明する尾花市長
黄色い布を示しながら取り組みを説明する尾花市長

和歌山市は7日、大規模災害発生時に全員の無事を確認した世帯の玄関などに布を結ぶなどし、安否確認の表示とする取り組みを市内全地区の自主防災組織に推奨していくと発表した。

表示の有無で安否確認が簡単にでき、発災から間もない、人命救助が最優先される段階で、より迅速で効率的な救助活動につながる。

静岡県富士宮市などで行われている取り組みで、和歌山市内ではいち早く松江地区が昨年から取り入れ、ことしも4日に行った地区の大規模訓練の中で実施した。10月には楠見地区の一部の自治会でも行い、今月23日には、高松地区が防災訓練の中で実施を予定している。

市は今後、市内42連合自治会ごとに設けられている自主防災組織(地区防災会)に取り組みを推奨し、市全体に広げたいとしている。

使用する布などの素材、色などに決まりはないが、松江地区では細長い黄色の布を用意し、楠見地区では色は問わず、タオルを使用した。市は今のところ、素材や色は自主防災組織ごとに選んでもらうとしているが、取り組みが広がれば、一定の統一した基準を設けることも検討するとしている。

尾花正啓市長は7日の定例記者会見で「助けられる命を少しでも多く助けられるようにすることが重要。布が付けられた家は捜索をしなくてよくなり、救助隊に次の場所に迅速に移ってもらえる。各地区に広めていきたい」と話した。