交通規制強化など カイロス2号機成功へ期待
スペースワン㈱による和歌山県串本町でのカイロスロケット2号機打ち上げが14日に近づく中、岸本周平知事は2日の定例記者会見で「前回(3月)の打ち上げで得た教訓をずいぶん生かして準備をしているということなので、成功の確率は高いと思う」と期待を寄せるとともに、立入禁止の警戒区域や交通規制の実施について、「事前にできる限りの周知を行い、前回のように延期ということがないよう、万全の準備をしたい」と述べ、県民に協力を呼びかけた。
打ち上げ予定時間は14日午前11時から同20分ごろ。警戒区域は、射場「スペースポート紀伊」周辺の陸上と南方の海上にスペースワンが設定するもので、陸上は前日の午前9時(場所により前々日の同時刻)から打ち上げの約15分後(同1時間後)まで、海上は打ち上げの約2時間前から発射の数分後までを予定している。
3月9日には船舶が警戒区域に侵入したために初号機の発射が延期されており、同様の事態を防止するため、今回は早期の周知徹底を進めている。
交通規制は前回よりも強化し、スペースポート紀伊周辺地域協議会による公式見学会場、田原海水浴場(串本町)と旧浦神小学校(那智勝浦町)の2カ所の前後3㌔の国道42号は全て駐停車禁止となる。打ち上げ数日前から看板を順次設置し、規制を始め、規制解除は打ち上げ終了後、周辺の渋滞状況などを見て判断するという。
打ち上げを控え、岸本知事は「スペースワンからは、小型人工衛星の需要がたくさんあり、2030年代には年間30回くらいの打ち上げが確実に予想されると聞いている。組み立て工場や部品工場も東牟婁郡を中心に現地に立地することが期待できるので、県としては、脱炭素産業に加えて、ロケット産業も集積させていきたいし、その可能性は非常に高いと期待している」と話した。