防災やロケット等テーマ 県選出国会議員が座談会
和歌山県選出の国会議員による和歌山放送の新春報道特別番組「2025和歌山県出身国会議員座談会」が13日に生放送され、防災、地域振興、ロケット、熊野白浜リゾート空港など国政・県政のさまざまな課題、話題を議論した。
出演は、山本大地氏(自民、衆院和歌山1区)、石田真敏氏(自民、衆院近畿比例)、浮島智子氏(公明、衆院近畿比例)、鶴保庸介氏(自民、参院和歌山選挙区)と特別ゲストの岸本周平知事。世耕弘成氏(無所属、衆院和歌山2区)、林佑美氏(維新、衆院近畿比例)は欠席した。
防災については、能登半島地震の教訓も踏まえた対策を議論。岸本知事は、他地域からの支援を受け入れる受援体制の強化、避難所の環境改善が特に重要だとし、3月に期限を迎える半島振興法の延長に合わせ、半島地域特有の課題を踏まえた「半島防災」の概念を盛り込むよう働きかけていることも紹介した。
石田議員は、支援を待っているだけでは問題は解決しないという基本認識が大事だとし、「地域の消防団の力が非常に大きい。第一の災害対応をやっていただくことが重要だ」と指摘。LPガスを備蓄できるバルクの設置も大事だと述べた。
浮島議員は、避難所となる体育館の空調整備の推進や、被災した子どもの教育支援や心のケアを行う枠組み「D―EST」の拡大に取り組むと話した。
本年中の打ち上げ再挑戦が期待される串本町のカイロスロケットについては、岸本知事が、西牟婁郡周辺地域を宇宙産業の集積地とするには人材が足りないとし、旧古座高校校舎などを活用し、全寮制の工業高校をつくるアイデアを披露。鶴保議員は、ロケットに関する串本の恵まれた条件を紹介し、「全国で唯一無二の場所だ」と強調した上で、宇宙産業に関わる人が串本と東京などの2地域での居住がしやすいよう、制度を整える必要性を指摘した。
熊野白浜リゾート空港については、滑走路を現在の2000㍍から、大型機の離発着が可能な2500㍍に延伸することを目指し、県が利用者増を図る方針を示している。鶴保議員は、海外便を誘致する上で、白浜からの乗客確保の対策が必要と述べると、岸本知事も「インセンティブは付けないといけないと考えている」と発言。浮島議員は、滑走路延伸は重要と賛同した上で、「地元との合意形成が大事であり、透明性確保と情報提供をしっかりやっていただきたい」と注文した。
地域振興策では、山本議員は農業など第1次産業のブランド化、付加価値の向上が重要とし、「かせいでもらえば後継者不足解消にもつながっていく。地域振興はそこから手をつけていかないと」と述べ、意欲ある参入者に対する融資制度の充実などの必要性も指摘した。
石田議員は「既存産業の生産性をどう高めてくか。今までと同じ交付の仕方では変えられない」とし、ブドウサンショウやあんぽ柿などを例に、世界に通用する産品に育てるため、地方創生交付金などを活用した思い切った投資を提案した。
浮島議員は「人づくりは国づくりだ。子どもたちが夢を諦めない教育をしていかないといけない」と述べ、児童養護施設などの利用者に対し、受験費用の支援を拡充したことなどを紹介した。
鶴保議員は、東京都の行政サービスなどを例に、「市町村のサービス合戦では和歌山は勝ち目が少ない」とし、全国一律のルールではなく、空き家活用など和歌山の特性、強みを生かしたルールづくりが重要と述べた。