救援物資を迅速に輸送 県などが訓練
![避難所へ向かうトラックに物資を積み込む参加者](https://wakayamashimpo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/25020804.jpg)
南海トラフ地震などに備え、和歌山県は6日、国などから送られてくる救援物資を各避難所へ円滑に輸送しようと、和歌山、海南の両市で広域防災拠点運営訓練を行った。
県や海南市、公益社団法人県トラック協会や県倉庫協会など、災害時の協定を結ぶ民間団体ら約220人が参加。初めて市町村と連携し、県の拠点だけでなく同市内の輸送拠点や避難所を開設して輸送を行い、官民の連携を図った。
発災時に、国は被災自治体からの要請を待たずに必要不可欠な物資を被災地に輸送する「プッシュ型支援」を行う。今回の訓練は、その物資を避難所へ迅速で円滑に届けるため、届いた物資を県と地域の拠点を経由して避難所へ運ぶ流れで行った。
同市内の物資拠点は約10カ所あり、その一つ、同市阪井の㈱サンコー物流センターでは、県広域物資拠点の和歌山ビッグホエール(和歌山市)から到着した物資を仕分けし、海南市内の避難所となる県立海南高校へ運ぶ手順を確認した。
食料や乳児用ミルク、おむつ、毛布、簡易トイレなどを積んだ4㌧トラックが到着すると、作業員はフォークリフトで倉庫内へ搬入。このうち、避難所へ届ける分を2㌧トラックに積み込んでいった。
県の物資拠点は他に橋本市、田辺市、新宮市にある。県災害対策課の花田直也副課長兼防災航空センター次長は「今回は500人分程度だが実際は万単位になる。民間団体の協力は不可欠。被災者へ迅速円滑に物資を届けられるよう、きょうの課題や反省を一つひとつ改善し、拠点運営の構築していきたい」と話した。