過去最大の210億円 岩出市25年度予算案
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岩出市は21日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比12・4%増の209億9700万円、特別会計と公営企業会計を含めた総額は8・8%増の383億9876万6000円で、いずれも過去最大。健全財政に配慮しつつ、国土強靭化対策、環境対策などを重点事業とし、積極的な予算配分を行ったとしている。28日開会の定例市議会に提案する。
重点事業は、国土強靭化対策、環境対策、下水道整備、人口問題の解決、学力向上、福祉の充実の6項目を掲げる。
生活道路の環状化やクリーンセンターの設備改良事業など複数年にわたり多額の経費が見込まれる事業があり、基金の取り崩しや市債の発行などが例年より多い積極型の予算となっているが、中芝正幸市長は「引き続き『健全財政の堅持』を軸に据え、持続可能な財政運営に努める」と述べた。
一般会計歳入
市税などの自主財源が占める割合は39・7%。市税は、定額減税の終了などにより市民税が3億104万4000円(11・3%)増加し、固定資産税が2・0%増加したことなどにより、全体で5・7%増の64億4845万3000円。
依存財源では、児童手当負担金やデジタル基盤改革支援補助金の増加などで、国庫支出金が15・3%増の41億2174万8000円、県支出金が23・0%増の19億7877万9000円。
市債は、前年度が地方交付税で措置される臨時財政対策債4600万円のみだったのに対し、クリーンセンター基幹的設備改良事業のために、一般廃棄物処理事業債3億6550万円を発行する。
収支不足に対応する財政調整基金などの取り崩しは8億9305万5000円で、25年度末の基金残高は88億9056万5000円を見込んでいる。
一般会計歳出
義務的経費が48・2%を占め、うち人件費は6・8%増の30億1636万円。扶助費は、児童手当費や障害者総合支援給付費の増加などにより9・2%増の63億2091万3000円。
市債の返済などに充てる公債費は、過去の臨時財政対策債などの償還終了によって元金償還が減り、20・4%減の7億8775万7000円。
投資的経費のほとんどは普通建設事業費で、クリーンセンター基幹的設備改良事業や岩出駅前活性化事業などの大型事業により、55・5%増の26億4071万9000円となっている。
物件費も大幅に増え、端末更新や地方公共団体システムの標準化移行などにより、22・7%増の35億1501万円を計上している。
特別会計・公営企業会計
特別会計は、国民健康保険事業や介護保険事業など4会計合わせて4・2%増の109億795万1000円。上水道と下水道の公営企業会計は5・7%増の64億9381万5000円。
