新庁舎が完成 海南消防署の東出出張所

開所を記念しテープカット
開所を記念しテープカット

和歌山県海南市東部地域の消防や救急機能を担う、海南消防署東出張所の新庁舎が同市阪井に完成し、3月1日に運用を開始する。総工費は約4億9000万円。

同市野上中にある築40年の現庁舎の老朽化や1級河川、貴志川の浸水想定区域内にあることから、消防、救急機能を維持しながら大規模な地震や風水害の発生時の際、地域の防災拠点としての役割を果たせるよう、移転整備を行ってきた。

新庁舎は、阪井バイパス沿いにあり、浸水想定区域外に立地。巽地区から東部の北野上、中野上、南野上、七山などの地域の拠点となる。「自家給油施設」「非常用電源設備」「水防倉庫・集中備蓄倉庫」を備え、あらゆる災害に対応できる安全性や大規模災害時でも自立した業務ができる。

海南市には、消防署本部と東出張所、下津消防署の3拠点があり、女性が勤務できる設備があったのは本部のみだった。今回の新庁舎には女性用の個室、風呂、トイレも新設され、女性職員も勤務することができるようになった。

自家給油施設は、ガソリン6000㍑、軽油4000㍑が貯蔵でき、非常用電源設備は、72時間以上稼働することができる。建物は鉄筋コンクリート造りの2階建て。敷地面積は1525・46平方㍍、庁舎の延べ面積は395・04平方㍍。

20日に新庁舎で開所式が行われ、神出政巳市長や海南消防本部の山田量也署長ら関係者55が出席。

事業経過報告や、地権者や設計、施工業者への感謝状贈呈、テープカットなどが行われた。神出市長は「開所は地域防災向上の大きな一歩。市民の命と財産を守るため、日々の訓練や業務に当たってほしい」と式辞を述べた。