生涯学習や防災拠点 西コミュニティセンター開館

緊急時は外部階段で2、3階テラスへ避難できる
緊急時は外部階段で2、3階テラスへ避難できる

和歌山市西コミュニティセンター(同市砂山南)が13日に開館し、オープニングセレモニーが行われた。市内8カ所目のコミュニティセンターで、幅広い年代が集い、交流できる地域の生涯学習拠点であり、避難所の機能や備蓄倉庫などを備えた防災拠点でもあり、多くの地域住民が訪れ、完成を喜び合った。

テープカットで開館を祝う尾花市長(前列中央)ら
テープカットで開館を祝う尾花市長(前列中央)ら

西コミュニティセンターは、市の第8ブロック(砂山・今福・吹上・高松各地区)の拠点として整備。国の出先機関の跡地を市が購入し、2020~24年度に設計、施工が行われた。建物は鉄骨造り3階建て、一部平屋で、敷地面積は4967・7平方㍍、延べ床面積は2003・61平方㍍、総事業費は約12億円となっている。

運営は、㈱KEGキャリア・アカデミー、大揚興業㈱、一般社団法人クリエイターズ、カルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱の4者で構成する「ぶんきょうの杜舎」が指定管理者として担う。

1階にはワークルームや子ども向けの遊びスペース、自習室、調理実習室、芝生広場などを設置。入り口付近からオープンスペースを広くとってドリンクバー(有料)を設置し、多くの人が気軽にくつろげる空間となっている。館内は全室でフリーWi-Fiが利用できる。

2、3階には大小の多目的ホール、和室、会議室などがあり、飲料水や食料、毛布、段ボールベッド、災害用トイレセットなどを備蓄する倉庫を備える。両フロアには屋外テラスがあり、1階外から階段でつながり、大地震や津波などの際には、建物の中を通らずに直接高い位置に避難ができる。

子育て環境の充実を図っているのも大きな特徴で、従来のコミュニティセンターにはなかったオープンスペースへの遊具の設置の他、図書コーナー、子ども用トイレ、授乳室、おむつ交換コーナーも備えている。

他のコミュニティセンターでの市民の声を踏まえ、外から中の様子が分かりやすく、より入りやすいよう、ガラス張り部分が多い開放的な造りとしている。

オープニングセレモニーは1階オープンスペースで実施。近隣の市立西和中学校、県立和歌山商業高校の相撲部が四股を披露し、尾花正啓市長や丹羽直子市議会議長、各地区連合自治会長らがテープカットを行うと、両校吹奏楽部によるファンファーレが高らかに響いた。

尾花市長はあいさつで、「地域の方々の思いがいっぱいに詰まった施設が完成した。子育て世代にも高齢者にも、幅広い世代にとって魅力がたくさんある。多くの人に利用していただきたい」と呼びかけた。

セレモニーの後は自由見学会となり、来場者は真新しい施設内を見て回り、両校吹奏楽部のコンサート、同高生徒による模擬店、備蓄食の試食、カフェ、茶席など、盛りだくさんの開館イベントを楽しんでいた。