万博で「四川ウィーク」始まる 県と友好提携

式典を彩った「変面」や大型人形劇
式典を彩った「変面」や大型人形劇

大阪・関西万博の中国パビリオン(大阪市・夢洲)で28日、和歌山県と友好提携を締結している四川省の歴史や文化、伝統芸能などを紹介する「四川ウィーク」が始まった。30日まで。

四川省は中国西部の内陸部に位置し、3000年以上前の長江文明や三国時代の蜀など古代から栄えてきた地域。ジャイアントパンダの生息地で保護区が設けられており、白浜町のアドベンチャーワールドと成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地による共同繁殖研究が1994年から30年以上続いていることなどの交流が発展し、2022年1月に県と友好提携が結ばれた。24年7月には、岸本周平前知事が同省を訪れ、施小琳省長と会談している。

四川ウィークは「輝く巴蜀(四川)文化、美しい未来を創造」がテーマ。館内では、長江文明の代表的な遺跡である三星堆で出土した青銅神樹などの貴重な文化財などが展示され、綿竹市の伝統的な版画など伝統工芸の体験コーナーも設けられている。

開幕式で中国国際貿易促進委員会の陳建安副会長は「万博は異なる文明が互いに学び合う場であり、開かれた協力の架け橋でもある」と述べ、万博を機とした日中両国の協力関係のさらなる推進の重要性を指摘。和歌山と同じく四川省と友好提携している広島県の横田美香副知事、在大阪中国総領事館の薛剣総領事らもあいさつし、和歌山のパンダが両国友好に果たした貢献への言及もあった。

式典の最後には、華やかな衣装で踊りながら顔にかぶった面を瞬間的に変えていく「変面」、大型人形による劇、琴や琵琶の演奏など、伝統芸能が披露され、開幕を彩った。