粘り強く説得、詐欺防ぐ きのくに信金2人に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防止したとして、海南署は13日、きのくに信用金庫内海支店の中谷安志支店長(47)と職員の川口真緒さん(30)に感謝状を贈った。
同署によると、ことし3月28日午後1時ごろ、同支店に振込送金を希望する70代の男性が来店。男性は、ATMから振り込みができなかったと窓口を訪れ、川口さんが対応した。
川口さんが、男性に振込先などを確認したところ、男性は「債権を買うため」と返答。全く知らない相手への高額な振り込みであったことから詐欺を疑い、男性を説得して振り込みを中止させたという。
その後、男性は退店。外出先から戻った中谷支店長は、「一連の報告を受け、(同庫の)お客さまだったこともあり気になった」といい、男性の自宅へ向かった。男性は、帰宅後も振り込みを指示した依頼者とLINEでのやり取りを続けており、中谷支店長が他の金融機関で振り込みをしないよう説得するとともに警察へ情報提供し、詐欺被害を未然に防止した。
同署で行われた感謝状の贈呈式で橋本諭署長が2人に感謝状を手渡した。
同庫は、普段から詐欺に関する勉強会や研修を開き、情報を共有し意識を高めているといい、中谷支店長は「毎日報道で詐欺のニュースを見る。振り込みをする人に使い道を聞いて詳細を確認するよう職員らに伝えている。男性が納得してくださって良かった」と笑顔。橋本署長は「SNS型は認知が遅く被害額が大きい。警察の力だけでは限界がある。抑止していただいて感謝の思い。引き続きお願いします」と話した。