コロナ関連の苦情増加 20年度の消費者相談

和歌山県消費生活センターは2020年度の消費者相談の状況を発表し、相談件数は5670件(前年度比328件増)で2年ぶりに増加したことが分かった。新型コロナウイルス感染症に関連した苦情が増加した他、外出自粛に伴いインターネット通販やオンラインゲームの課金に関する苦情も増えた。

相談内容の内訳は、ワンクリック請求や出会い系サイトのトラブルなどの「ウェブサイト関連」が544件(前年度比47件減)でトップ。19年度に急増した「健康食品」の定期購入トラブルなどの相談がさらに増え、371件(同53件増)で2位となり、「化粧品」に関する相談も増加し、207件(同55件増)の3位で続いている。

年代別では、65歳以上からの相談が27・7%(同1・9減)で2年続けて3割を下回った。高齢者層に多かった書面による架空請求に関する苦情が大幅に減少したことや、新型コロナ関連の苦情の約7割が65歳未満からだったことが要因とみられる。

新型コロナ関連の苦情は495件で、4月をピークに夏には減少したが、年末にかけて再び増加に転じた。緊急事態宣言の発令による旅行などの解約に関する苦情が影響したと考えられる。

50代男性からの相談事例では、旅行先の感染者増加のニュースを見て、GoToトラベルで申し込んだ航空券と宿泊施設のキャンセル料を調べると、契約金額の8割が必要と分かり、自己都合ではないのに高額なのが納得できない、というものがあった。

新型コロナの事情があっても無条件に解約するのは難しい場合があり、同センターは契約時に解約条件などを確認して申し込むようアドバイスしている。

コロナ禍で収入が減少したことに不安を感じ、インターネットで見つけた副業やもうけ話でトラブルに遭ったとの相談も寄せられている。

インターネット通販に関する苦情は1929件で、前年度比488件(34%)の大幅増。うち472件(24%)は健康食品や化粧品などに関するもので、定期購入であることが分かりにくいSNSなどの広告や、「いつでも解約可能」などと記載しながら解約のハードルを上げて明示しない、詐欺的な定期購入商法が多くなったことが増加の要因とみられる。

同センターは、購入前に契約内容、解約の方法や条件を必ず確認するよう呼び掛けている。

オンラインゲームの課金に関するトラブルでは、小学生の子どもに父親のスマートフォンで遊ばせていたところ、クレジットカードで30万円の課金をしていることが分かったなどの相談があった。

同センターは、クレジットカード情報を利用できる状態でスマホを子どもに貸さないようにし、子どもがオンラインゲームをするときは、事前にお金の使い方や課金のルールを話し合っておくことが大切としている。

相談や問い合わせは同センター(℡073・433・1551)、消費者ホットライン「188(局番なし)」へ。