時代にふさわしい地方議会へ 政府に提言、議員立法も始動
コロナワクチンの接種が進むなか、報道(日経新聞R3・5・12)によると諸外国では3割の接種で感染拡大が収まり、5割もしくは2回接種3割で終息に向かうと報じられています。高齢者への接種でこの2回接種3割の水準に至りますが、できる限り接種率を高めコロナ禍を一刻も早く終息させましょう。
さて、昨年末から党で「地方議会の課題に関するプロジェクトチーム」の座長として、会議を重ねてきました。全国三議長会からの意見聴取、総務省から過去の答申や研究報告書などの概要説明、さらに学識経験者ヒアリングなどを経て、全体的に課題を討議し「令和時代にふさわしい地方議会・議員のあり方についての提言」を取りまとめました。
まず、地方議会・議員の責務は従前に比して格段に重要度を増しているとし、以下の課題を明示しました。
①地方分権時代を迎え、地方公共団体の自主的な決定と責任の範囲が拡大。
②Society5・0時代の技術革新に伴う社会の大変化への対応。
③本格化する人口減少社会への、地域の状況に応じた早急な対応。
その上で、地方議会は意思決定機関であることを踏まえ、令和時代にふさわしい地方議会・議員としての位置づけを明確化すべきとし、政府、国会、地方議会・議員がそれぞれ取り組むべき事項を提言しました。
まず政府においては、地方自治制度の全般的な検討を行う地方制度調査会で、あるべき姿を提示するよう求め、具体的に以下を指摘しました。
①意思決定機関としての位置づけや議員の職務等を、令和5年統一地方選挙までに法的に明確化。
②都市部と地方で現れ方が異なる課題と特性に応じた議会像の検討。その際には、諸外国の制度も参考に組織形態の多様化が図れる柔軟な対応とともに、組織形態に見合った議員の活動や処遇のあり方なども検討。
③立候補に伴う休暇保障の法制化を、労働法制にも留意しながら検討。
次に国会においては、以下を早急に検討すべきとしました。
①請負禁止の範囲の明確化・緩和など、立候補に伴う環境整備。
②大規模災害時の招集日変更など、災害への対応。
③意見書の活用など、議会活動への支援体制の充実。
④各党・会派の協議が整った場合、議員立法等により対応すべき事項。(a)厚生年金の適用拡大の状況も勘案した地方議員の厚生年金加入など立候補に伴う環境整備。(b)都道府県議選における市単位の選挙区の合区、定数の多い指定市の道府県議選や全域を一区とする市区町村議選への対応など選挙制度。
そして地方議会・議員においては、次の取り組みを促進するよう指摘しました。
①全国議長会を中心に国も支援を行い、シンクタンク機能・議会図書館・研修・立候補者育成などを充実。
②各議会・各政党において、若者や女性をはじめ多様な人材の立候補を促す場作り。
③議会として、住民に向けて仕事の周知と理解促進の活動を活性化。
④議員として、議会報告の充実、政務活動費の使途の明確化、視察の充実と結果報告、研修活動、日常活動の充実など住民から見える活動の活発化を図り理解と信頼を高める。
以上のような提言を行い、4月13日に武田総務大臣に政府の対応を陳情する一方、全国三議長会に申し入れ、さらに議員立法に向けた動きも始めました。今後、それぞれの立場で課題について真摯に取り組み、法制化等を実現し、令和時代にふさわしい地方議会・議員像を作り上げていただきたいと思います。