五輪想定しテロ対策訓練 商業施設で毒物対応
東京オリンピック・パラリンピック、紀の国わかやま文化祭2021などの開催に向けた国際テロ対策の一環として、和歌山北署は7日、イオンモール和歌山(和歌山市中)で官民一体となったテロ対処訓練を実施。対処法や手順を確認した。
同署をはじめ、機動隊などの警察官ら約45人、消防署員約40人、同モールの関係者約15人の計約100人が参加した。県警はこれまで、駅や白浜空港などで同様のテロ対処訓練を行ってきたが、大型商業施設での同訓練は初めて。
この日、同モール内で男1人が液体を散布して逃走し、店内で4人の客が倒れているとの想定で行われた。
散布された液体が機動隊によってサリンと確定された後、化学防護服を着た隊員らが人員を救助し、サリンを回収。除染活動後に鑑識を行うなどした。
同署の湊隆弘署長は講評で、「各機関が連携した訓練は、大きな財産になったと思う」と話し、「今後も官民一体となったテロ対策を推進し、和歌山ではテロを起こさせない、安心・安全なまちづくりの実現を目指したい」と伝えた。
同署の前溝良子警備課長は「それぞれの部門で課題ができたと思うので、経験で得たものを次に生かしていきたい」と訓練を振り返り、市民に対しては「和歌山でもテロが起こる可能性はゼロではないので、どこでも起こり得る意識を持って、不審者がいたら近づかないで、すぐに通報して情報を提供してもらえれば」と協力を呼び掛けた。