墨と筆で自由に表現 県書道協会が作品展

さまざまな書道の会派の人が所属する、和歌山県書道協会(会員173人、小島健堂会長)の第73回展が4日まで、県民文化会館(和歌山市小松原通)県民ギャラリーで開かれている。

同会は1933年に発足した「和歌山書道会」が前身。現在の名称になった47年から、新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期した昨年を除き、会員の研究発表の場として毎年作品展を開いている。

会場には134点が並び、テーマは設けず、それぞれが好きな書体、題材で思い思いに表現した力作がそろう。

小島会長の作品は、行書と草書を混ぜ合わせた「行草体」で漢詩を書いている。墨の入ったところと、かすれの渇筆部分を出すなど、全体的に躍動感ある作品に仕上げている。

小澤清湖副会長の作品は、太さが一定の篆書(てんしょ)を、あえて太さや渇筆など筆遣いを変え、自身の題への解釈を表現している。

この他、自詠句や好きな言葉を書いたもの、模様入りや色付きの紙を使用するなどこだわった作品も展示。

同会事務局の加納敬舟さん(54)は「自分の思い、こういうものを書きたいという作品が並んでいる。同じ作品はない。書いた人の思いをそのまま感じてもらえれば」と話している。

午前10時から午後5時(最終日は午後4時)まで。問い合わせは、同会事務局(℡073・471・4605)。

 

さまざまな作品がずらりとそろう