巨大鷽鳥に五輪安全など祈願 和歌浦天満宮

和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮は、「新型コロナウイルス感染拡大を『うそ』に」との願いを込め、境内のクスノキで巨大鷽鳥(うそどり)を制作。間もなく開幕の東京五輪・パラリンピックの安全を願う祝詞奏上とともに7日、鷽鳥の御魂入が行われた。今後鷽鳥は、和歌浦湾を見渡す同境内から、人々を見守っていくという。

鷽鳥は、高さ約4㍍、直径約1㍍。体部分には「和歌浦天満宮」の文字や、祭神の菅原道真にちなみ梅の花があしらわれている。道真が蜂に襲われた際、鷽鳥の大群が救ったという言い伝えがあり、同天満宮では、悪いことを「ウソ(鷽)」に「とり(鳥)」変える鷽替神事も行われている。

昨年春ごろ、楼門(重要文化財)下のクスノキ(樹齢約70余年)が枯れ始めたため伐採しようとしたが、同天満宮の小板政規禰宜(48)がその形を生かし、鷽鳥にすることを思いついたという。クスノキは、急峻な石垣の上に生えており危険なため、境内の樹木の伐採をする上中林業(紀美野町)の上中広幸社長に協力を依頼。命綱をつけた上中さんが形を整え、小板禰宜がアルミ板で作成した目や鼻、足部分などのパーツを取り付け、油性ペンキで色を塗るなど約半月かけて完成した。

同日、願いがかなうよう七夕の日に合わせ、大会の安全と新型コロナウイルス収束を祈念した。

同天満宮によると新型コロナウイルスが収束すれば、クスノキは伐採する予定だという。

小板禰宜は、「鷽鳥を守りの要にして、自分たちができることをやっていこうという思い。早く新型コロナウイルスが終息し、伐採できればうれしい」と話していた。

 

鷽鳥の御魂入をする小板禰宜