パリ五輪ではメダルを 吉田選手が母校訪問
和歌山県紀の川市出身で東京オリンピックに男子ハンドボール日本代表として出場した吉田守一(しゅいち)選手(20)が10日、母校の県立那賀高校(岩出市高塚)を訪れ、オリンピックでの活躍を報告した。
吉田選手は同校1年の時にハンドボールに出合い、3年春には選抜大会にも出場した。卒業後、筑波大学体育専門学群に進学。現在は同大に在籍しながらポーランドのハンドボールチーム「タルヌフ」に所属している。日本代表としては最年少での選出となった。
東京オリンピックでは予選リーグ全5試合に出場し7得点を挙げた。チームは予選敗退となったが、吉田選手はポルトガルとの一戦で終盤に決定打となる得点を決め、1988年ソウル大会以来、33年ぶりの勝利に貢献した。
7月30日には同校の男女ハンドボール部員が大型スクリーンで日本代表と対バーレーン戦を応援した。
母校を訪れた吉田選手は森勝博校長にオリンピックでの出場を報告。「オリンピックという舞台に立てたのはすごく光栄。緊張することなく普段通りにプレーできた。パリ五輪では予選を突破してメダルを狙いたい」と今後の意気込みを述べた。
続いて、吉田選手は後輩であるハンドボール部員の男女約30人の前に登場。部員から「印象に残ったチームは」「日本代表の雰囲気は」「試合前のルーティンは」「黄色のヘアバンドのこだわりは」など活発な質問が飛んだ。
吉田選手は「完成度が高かったのはフランス」「オリンピックに向けてすごい思いを持って全勝するつもりで戦った」「ルーティンは大音量で音楽を聴くこと」「黄色のヘアバンドなら目立つと思ったので」などと笑いを誘った。恩師である同校ハンドボール部の顧問、松尾伸司教諭については「雲の上のような存在です」とはにかんだ。
吉田選手は「地元の応援など一人ひとりのメッセージが本当に力になった。皆さんには仲間への声掛け、コミュニケーション、サボらないように練習を頑張ってください」と笑顔でエールを送った。
吉田選手は体育館で部員と共に汗を流し、ポストポジションの取り方や体の使い方、体重の乗せ方、腕や肘、背中の使い方などを伝えた。
主将の2年、渡邉シバさん(17)は「キーパーだが吉田選手の動きや意識など学ぶことがたくさんあった。プレーに自信があふれていて、とてもかっこよかった」と話した。
吉田選手は「主にポストのポジションについて伝えたが、部員には動きを感じて、考えてやるように伝えた。一緒にプレーできて楽しかった」と話した。