初の子ども向け企画展 和歌山市立博物館

地元の小学生に和歌山の身近な歴史に興味を持ってもらおうと、和歌山市立博物館(湊本町)は9月5日まで、夏季企画展「アッ!と驚く意外な歴史―君も和歌山の歴史博士になれる―」を開いている。子ども向けの夏の企画は、同館では初めての試み。

普段は見過ごしたり、難しいと思われたりしがちな歴史を、クイズ形式などの親しみやすい解説文で紹介し、関心を高めてもらおうという企画展。市内の歴史資料を中心に計83件(重要文化財1点、県指定文化財2点、市指定文化財1点を含む)が並んでいる。

授業で習う身近な歴史史料の一つ勾玉(まがたま)に関する展示では、車駕之古址古墳(しゃかのこしこふん、木ノ本)の出土品を通して、「日本で一つだけの金の勾玉です!」と、珍しい金色の勾玉が地元で発見されたことを紹介している。

江戸時代後期に描かれた愛嬌(あいきょう)あるマンボウの絵「満方図(まんぼうず)」の解説には、疫病が流行した時代に、かからないように人々が願いを込めて描いたことが、分かりやすい文章で書かれている。

「小人町」や「堀止」など市内の地名の由来、関戸で砂糖(甘藷・かんしょ)が製造されていたことが分かる帳面、現在の白壁になる前の板張りの和歌山城の姿を描いた絵図(「御天守御絵図」)など、意外と知らない歴史に、訪れた子どもたちは興味津々に見入っている。この他、昔と今の街の写真をあみだくじで結ぶパネル、新旧の生活用品を当てるクイズ、刀や鉄砲、弓などにまつわる「武器武具のことばのコーナー」など楽しめる仕掛けが盛りだくさん。

同館の太田宏一学芸員(64)は「自分の街の歴史を知らない子も多い。埋もれている身近な歴史の中にも面白いものはたくさんある。ぜひ興味を持つきっかけにしてほしい」と話している。

午前9時~午後5時(入館は4時半)。入館料は一般・大学生100円、高校生以下は無料。月曜休館。21日午後2時から、展示解説がある。問い合わせは同館(℡073・423・0003)。

 

展示を楽しむ親子