県内は28人に栄誉 第37回危険業務従事者叙勲
警察官や消防職員など危険性の高い業務に従事した功労者に贈られる「第37回危険業務従事者叙勲」の受章者が11月3日に発令される。和歌山県関係の受章者は県が上申した6人と中央省庁などで選考された22人の計28人(全て男性)。県関係の受章者総数は累計で980人(うち女性10人)となった。
晴れの受章者は次の皆さん。
【瑞宝双光章】伊賀耕二(73)元大阪府警部、橋本市柿の木坂▽岩崎好生(65)元海南市消防監、和歌山市本渡▽片山莊一(73)元県警部、印南町南谷▽原川孝一(73)元県警部、田辺市稲成町▽襖田知富(73)元県警部、和歌山市関戸▽三田昇(68)元和歌山市消防監、同市禰宜▽向井一之(65)元海上保安官、海南市大野中▽山内好三(73)元大阪府警部、橋本市城山台▽弓場研二(70)元県日高広域消防事務組合消防司令長、印南町印南▽横平貞廣(73)元県警部、和歌山市木ノ本
【瑞宝単光章】青木義雄(73)元県警部補、有田川町土生▽奥本等(73)元県警部補、和歌山市禰宜▽北岡伸之(66)元橋本市消防司令、同市神野々▽小池道義(68)元和歌山市消防司令長、同市吉礼▽島村猛(79)元県警部、貴志川町井ノ口▽清水進(73)元大阪府警部補、橋本市御幸辻▽須花勤(73)元県警部補、和歌山市神前▽田中耕一郎(73)元県警部補、同市中▽田中實(73)元県警視、かつらぎ町妙寺▽谷本安夫(73)元県警部、海南市大野中▽玉井利夫(70)元田辺市消防司令、同市上秋津▽中正佳(73)元県警部補、和歌山市今福▽中松一馬(73)元県警部補、那智勝浦町宇久井▽林重夫(72)元警視庁警視、田辺市中屋敷町▽東伸行(73)元県警部、貴志川町岸小野▽樋口敏眞(73)元県警部補、橋本市学文路▽山下義秀(73)元県警部補、和歌山市坂田▽山本貞夫(73)元県警視、那智勝浦町下里
瑞双・元和歌山市消防監
三田 昇さん(68)
~和歌山市禰宜~
チームワークが大事
1975年10月、和歌山市で消防士としての第一歩を踏み出した。初めての配属は西消防署。仕事の合間や寝る間を惜しんで、反復訓練をして放水技術もいち早く習得した。
高い指導力と知識が評価され、88年から県消防学校の教官を2年間務めた。県内の市町村の消防職団員には厳しさと思いやりの心で指導。多様な訓練に情熱を持って育成し、基本動作の重要性を教示して団員の知識、技能の向上に取り組んだ。
2007年には東消防署警防第2班長、10年には消防司令長に昇任し、東消防署副署長に就任。12年には消防監に昇任して同署長として指導能力を発揮。消防行政の充実強化に精励した。
38年6カ月の消防人生を振り返ると、そのうちの16年はレスキューとしての活動が大半を占めており、土砂災害や交通事故、水難事故など一刻を争う厳しい現場で力を尽くした記憶がよみがえる。「消防はチームワークが大切」。上司や同僚、部下職員と積極的に対話を図り信頼関係の構築に努めたことで他の模範となった。
後進には「一人ではできない仕事なので仲間を大事にコミュニケーションを取り合いながら頑張ってほしい」とエールを送る。
受章については「ありがたい気持ち。家族や上司、同僚、部下がいてこそ。全ての人のおかげです」と喜ぶ。現在は米、ミカン、野菜を作る農家として過ごす。元同僚とのゴルフも楽しみの一つとなっている。