4次元で物体の形状計測するカメラ開発
和歌山大学と共同で画像計測の研究などをしているモアレ研究所 (大阪府泉佐野市、 森本吉春所長) は、 動いている物体の形状を3次元で計測できる 「4D(フォーディー)カメラ」 を開発した。 これら同大との共同研究の成果を市場で実用化させようと、 「4Dセンサー㈱」 (和歌山市一番丁、 柾谷明大社長) を設立した。
同研究所は昨年、 物体の形状をより高速、 高精度に3次元計測できる 「全空間テーブル化手法」 を用いた装置を同大と共同開発した。 新会社は大学発のベンチャー企業としてこの装置と、 新たに開発した4Dカメラを販売していく。
4Dカメラは、 同手法と複数のLED(発光ダイオード)光源を用いた 「光源切替位相シフト法」 の技術を使って完成させた。 これまで物体の形状を3次元で計測しようとすると、 その物体が止まっている必要があったが、 4Dカメラでは物体の時間的な変化も計測できるようになった。
今後はロボットや自動車部品、 文化財など、 さまざまな分野に向けて4Dカメラの技術をPRしていくとしている。 柾谷社長(37)は 「産業用カメラだけでなく、 家庭用カメラもいずれは4Dになるだろう。 将来は3次元、 4次元形状計測の世界拠点として社会に貢献したい」 と話している。
同社は先月、 新規創業や新分野への進出を前提としたアイデアを支援する川崎市産業振興財団主催の 「第75回かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場」 で 「かわさき起業家優秀賞」 を受賞している。
問い合わせは同社(Eメールinfo@4d-sensor.com、 URLhttp://4d-sensor.com)へ。