津波想定、高台へ 野崎西小児童ら避難訓練

和歌山市立野崎西小学校(同市梶取)で11日、南海トラフ大地震の発生により大津波警報が発表された場合を想定した避難訓練が実施され、約350人の全校児童と教職員らが、高台に位置する和歌山大学(同市栄谷)のグラウンドへ避難した。

同校の田窪伸校長によると、校舎の最上階となる3階の床は地上13㍍。大地震が発生すると20㍍以上の津波が予測されることなどから、より安全に避難するため、同校では10年ほど前から同大学への避難訓練を続けている。

昨年は新型コロナウイルスの影響で中止。2年ぶりの実施となった今回も、例年通り、野崎地区連合自治会や同校の見守り隊、育友会、同市立少年センター、和歌山北署らの協力のもと実施された。

児童らは、地震発生の放送が流れると、揺れが収まるまで机の下に身を隠し、運動場に避難。グループごとに人数確認を行った後、同大学への避難を開始した。ルートには車通りの多い交差点や踏み切りもあり、自治会や見守り隊のメンバーらが路上に立ち、児童らに声を掛けながら誘導。先頭の児童が運動場を出発し、最後の児童が同大のグラウンドに到着するまでにかかった時間は39分と発表された。

田窪校長は講評で、「家の近くで高い所を探す」、「家に防災リュックがあるかを聞き、どんな物が入っているか、どんな物が必要かを考える」といった二つの宿題を出し、児童らが自宅でも防災意識を高められるよう促した。

訓練に協力した和歌山北署の前溝良子警備課長は、「学校でも防災意識を持っていただき非常にありがたい。今後も連携して防災意識の向上に努めていきたい」と意気込んだ。4年生の荒木輝美(あみ)さん(9)は、「もし本当に津波が来たらと考えると怖いけど、実際に起こったら、きょうの訓練を生かしてゆっくり慌てずに避難したい」と話した。

地域の人たちが見守る中避難する児童ら

地域の人たちが見守る中避難する児童ら